見出し画像

「筒井あやめ」が存在しない世界/個人PV『青春の天才』の裏設定を考察


今回は乃木坂46
26thシングル「僕は僕を好きになる」<Type-A>に収録されている

筒井あやめ個人PV『青春の天才』について
考察しました。

https://youtu.be/s1qdqAYLEWY

本作は月田茂監督による作品で、
筒井あやめさんの真顔を見事に活かした
可愛さ溢れる個人PVになっています。 


ですが、PVを見ている時に妙な違和感を感じませんでしたか?

今回は自分が感じた違和感について考察した事を書いていきます。



「筒井あやめ」という少女は実在しない。


PVの舞台である青春学園高等部に
筒井あやめは在籍していない。

つまり、男子生徒の妄想から生まれた
架空の少女である。


それでは
考察したあらすじを書いていきます。


過去に男子生徒達は学園生活において、
女子達とと関わることが出来ず、
自分たちがいわゆる「学園生活における青春」を謳歌できていない事にコンプレックスを感じていた。


そんな時、男子生徒達が体験したかった青春を妄想する中で作り上げられていったのが「青春の天才 筒井あやめ」である。

いつしか男子生徒達は、
幸か不幸か妄想と現実の区別がつかなくなり、
架空の少女 筒井あやめが
そこに実在するかのように見えるようになってしまう。


登場人物


ただ1人気づいてしまった「クセ強め」


架空の少女が見えるようになってから
しばらく経ったある日、「クセ強め」だけが
自分の違和感に気づいてしまう。


PV冒頭のバスケットボールのシーン
「クセ強め」が呆然と立ち尽くしていたのは自分達が妄想を見ている事実にただ1人気づいてしまったからである。

筒井あやめから手渡しされたかのように思えた
バスケットボールは、実は床に転がっているボールを「クセ強め」が拾っただけだった。

このシーンだけ不自然にBGMで
「君の名は希望」が流れている。

「転がって来たボールを無視してたら 
僕が拾うまでこっちを見て待っていた」

そう、筒井あやめは「クセ強め」が拾うまでこっちを見て待っていただけだった。

しかし、「クセ強め」は今も妄想の世界で楽しんでいる2人に"妄想である事実"を伝えることが出来ず、何事もなかったかのようにバスケを再開する。



筒井あやめと「会話」をしたシーンは1度もない


自分達の妄想が作り上げた架空の少女を見ることはできるが無情にも「会話」をすることは出来ない。男子生徒達の声が少女に届くことはないのだ。


皆さんも印象的であろう「イケメン」がピアノを弾いている筒井あやめに何度も呼びかけるシーン。


このシーンは一見、筒井あやめが無視しているようにも見えるが実際は「イケメン」が誰もいないピアノに向かって呼びかけているだけなのである。


次に教室で「ガリ勉」が勉強しているシーンで筒井あやめと会話してる!と思いきや夢オチ。

この時に「ガリ勉」も自分が妄想と現実の区別がつかなくなっている事に気づいてしまい、パニックになり、夢の中で頭を抱えてのたうち回る。


待ってるガールのシーンでは未だ妄想に囚われたままの「イケメン」に対して事実を打ち明けることのできない「クセ強め」は「ガリ勉」のちょっかいに乗っかる。そのまま3人は去り、筒井あやめとの会話はなかった。

全ては"3人だけ"で妄想した

「理想の青春」



前述したバスケや、その後の教室でのライブ
最後の海辺での集合写真。

筒井あやめがいつも真ん中にいるように見えて実際は3人だけの話。筒井あやめはそこにいない。

掃除道具を楽器に見立てた教室ライブも、海辺ではしゃいで撮る記念写真も、全て男子生徒達が女子と実現したかった「青春」であった。



なぜ筒井あやめは

「制服のマネキン」の衣装を着ているのか


架空の少女である筒井あやめが
「制服のマネキン」の衣装を着ている理由は

文字通り、男子生徒達が妄想した
理想のモデル→「マネキン」だから。

※「マネキン」は、フランス語で「モデル」を指すmannequinの英語読みに由来する。

筒井あやめは「実在」しないが

「誕生」した。


男子生徒の妄想が作り上げた理想の青春を叶えてくれる「青春の天才」はその妄想によって
「誕生」してしまったのである。

その伏線として最初のバスケットボールのシーンでは君の名は希望がBGMとして流れている。
歌詞中の比喩で使われている「透明人間」
比喩ではなく本当に架空の少女(透明人間)
として、この学園に誕生してしまった。


待ってるガールのシーンで3人が去った後に筒井あやめが一言「待ってない」と残す。

筒井あやめには男子生徒の会話が聞こえていることがわかった。
しかし筒井あやめの声が男子生徒に聞こえる事はない。


男子生徒の妄想で誕生させられてしまった「青春の天才」は透明人間であり、孤独なのだ。


ここまで読んでいただきありがとうございました!もう一度PVを見返してみるとギャグテイストでありながらも、どこか虚しさを感じる作品に見えるかもしれません。

ですが、これも全て私の「妄想」です。

スープカレーうま馬

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?