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冬の知床初体験。野生動物たちとの楽しい週末③(2023.2.12)

しっかりと寝ることができた最終日の朝、一番早い時間に朝食を摂り、早速野付半島へと向かいました。
氷上釣りを楽しむテントは朝からいくつも立ち始めていました。本当は漁業権の観点からも良くないそうですが、さまざまに事情があり黙認されている状態だそうです。

そりにはストーブまで積んであったので、テントの中は暖かいのかも

今回は9時30分からの氷下待網漁の見学ツアーに申し込んでいるのですが、早めに来たのでネイチャーセンターを通り越し、野付半島の一般道の突き当りの灯台近くを目指して進みます。

氷原を進むキタキツネ
道路わきで角を突き合わせるエゾシカ
長い喧嘩が続く
野付崎灯台(左)の先には舗装されていない道が突端まで続く

道路の終点は灯台の少し手前。そこから先は番屋が点在していて漁業関係者のための道が岬の先まで続いているようです。
道を取って返して、ネイチャーセンターに行きます。今回は冬の野付半島の魅力として別海町がPRしている氷平線の体験ウォークを申し込もうと思っていましたが、ネイチャーセンターに電話したところ、氷下待網漁のツアーがなんとキャンペーンで半額とのことだったので、申し込んでみました。
あまり予備知識がないままの参加です。

野付半島ネイチャーセンター
ツアーはそりで移動
氷の上をスノーモービルの曳くそりが進む
トドワラが見えてきた。ここは海の上
トドわらを回って漁場へ到着
漁で残される雑魚を狙ってオオワシが待つ
距離を空けてオジロワシも

氷下待網漁は、氷結した野付湾や尾岱沼、風連湖などでも行われているもので、氷に穴をあけて、そこに仕掛けとなる網を張り、海流に乗ってやってくる魚を誘導して、メインの網の中に集めていく漁法。かつては野付湾で100以上の網が張られていたそうだが、今では数人の漁師が行うのみとのこと。

棒が刺さっているところが網の端。この下に魚を囲い込む
メインの穴。氷はチェーンソーで穴をあけるそう
このようにして網を引き揚げていく
網を引き揚げる手伝いをさせてもらった。結構重い
魚がかかっている
これでもかなり少ない方で昨年は大量だったとか
コマイ、チカ、カレイなどが入っている
コマイとチカ。コマイは型が大きいのでオオマイとも呼ばれる
昨年はチェーンソーが使えず、昔ながらのこの斧で氷を割ったとか
あげた網は今度は広げてまた入るのを待つ。海流に乗せて網を広げていく

昨日食べた氷下魚(コマイ)は野付湾産と聞いたけれど、このようにして獲られたものだったのかと感心。まさに氷の下の魚であることを実感しました。ただ、昨日の料理屋の氷下魚は3匹で450円。そう考えると、なかなか利益は出づらいということもあって、この漁法を行う漁師が減ったよう。スケソウダラとか鮭とか金になる産物が多いということもげんいんのひとつになっているようです。
売れない魚は氷の上に置いておくと、それを楽しみに待っているワシたちがきれいに食べてくれるという、知床同様ワシとの共存ができています。大変勉強になりました。
風もなく雪も収まり、あまり寒くなかったのも、ありがたかったです。これは吹雪の中でやるのは本当に大変。
漁師さんたちは4年ほど前からこういうツアーで漁を見せることを始めたそうで、芸能人などの取材も多く、対応も慣れてきたとか。こういう経験ができるメニューはとても良いものだと思います。

トリック写真

漁を終えた後は、氷平線のウリの一つのトリック写真を撮影しました。ウユニ塩湖に行かなくても、こんなところでもトリック写真が楽しめます。青空だともっと面白かったと思うのですが、これはこれで楽しいですね。
またそりに乗り、来た道を戻ります。トドワラではオジロワシのつがいが見送ってくれました。

立ち枯れたトドマツにオジロワシのつがい
美しいオジロワシ
こっちを気にしている
氷平線を歩く人たちが手を振ってくれた

氷平線ツアーでは、なんとキャンペーンで半額だけではなく、4000円分のセンター内で使えるクーポンまでいただきました。せっかくなので、いろいろなお土産を物色しました。
ここから標津の街に戻って、今度は全国両行割のクーポン3000円分を使って海産物を物色しようとしていましたが、ネイチャーセンターの掲示板にキタキツネが灯台方面で見られたと記載があったので、最後に会いたいと向かいました。
雪が降り出す中、見つけられるか心配していましたが、停まっていた車から望遠レンズを構えている人を見て、木の中で休んでいるキタキツネがいることが分かりました。自分では見つけられなかったと思うので、ラッキーでした。

寒そうだけどあったかそうなキタキツネ
窓を静かに開けたつもりが、片目を開けてこっちを見た。でもすぐにまた寝てしまった

雪が予報通りどんどん強くなってきました。今度こそ標津の街に戻ります。シカはずいぶん撮影したのでと思いつつも、雪の中のシカもまた美しい姿なので、どうしても車を停車することになります。

根室海峡を背景に雪の中でたたずむエゾシカ
野付湾の氷原を歩く雌のエゾシカ

標津に戻りましたが、今日は日曜なので、残念ながら漁協の直売所が開いていません。しかも、3月で閉店とか。標津はどんどん人口も減り、中標津の方がはるかに街が大きいので、そちらに人が行ってしまうという話も聞きました。漁協の販売店がなくなるとは残念です。セイコーマートで伺って、川村水産さんにたどり着きました。美味しそうな鮭とばや氷下魚、鮭ハラスなどを格安で購入して、一路中標津へ。
中標津では空港に行く前に、寄りたいところがありました。北海道で大人気のシマエナガ(グッズもたくさん!)が丸山公園の森にいるという情報をみたので、ぜひ会いたいと思ったのです。
丸山公園に着くころには、雪は本降りになっていました。羅臼で味わったサラサラの雪ではなく、いかにも積もりそうな湿り気のある雪です。
そんな中だからか、残念ながらシマエナガは見つけられませんでした。その代わり、エゾリス1匹が遊んでくれました。

何かの種を食べているエゾリス
木の根元から何度も食べ物を取り出し食べている
こちらも気になるのか、何度か目が合う
雪が積もったところを見ると、きれいな結晶が見えた
雪が降りやむ気配はないのでこのあたりで空港へ

どんどんと雪が降り積もって、自分たちの足跡を消してしまうほど。でも、娘はその雪が楽しいらしく、いろいろ遊んでいましたが、時間が来たので、空港へ。エゾリスに遊んでもらって、今回のワイルドライフツアーは終了です。

来た日とはちょっと違う雰囲気の空港

2泊3日、それも午後便利用という短い期間でしたが、たくさんの動物たち、野鳥たちに会え、さらに文化や漁などにも触れ、さらにさらに北方領土についても考えることができ、ずいぶんと濃密な旅ができました。
シャッターも2000近く押したようで、整理が大変・・・。1週間かかってしまいました。でもこれこそ旅の醍醐味。
今回はタンチョウヅルには会えませんでした。今度の冬の北海道は釧路根室あたりになりそうな予感です。買いそろえた防寒具(安物ですが)がまた日の目を見ることを楽しみにしたいと思います。

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