㉕高齢者の外傷のポイントは？
日本の外傷の受傷機転は, 1位 交通事故, 2位 転倒, 3位 墜落・転落です1）. 交通事故は年々減少していますが, 転倒や転落の数は減少しているとはいえず, 台風などの自然災害後の屋根などの修復中の転落事故はしばしば経験します.
外傷に伴う損傷部位として多いのは, ①下肢, ②頭部, ③胸部, ④上肢, ⑤脊椎, ⑥顔面, ⑦腹部および骨盤内臓器, ⑧体表・熱傷・ほかの外傷, ⑨頸部の順です2）.
年齢とともに受傷頻度は増加し, 60〜80歳代の割合は全体の約50%を占めます3）.
高齢者の外傷診療でのポイントは以下の5つ
①受傷機転を意識して対応を！失神の関与は特に注意すべし！
②画像よりも身体所見を重視しよう！
③重症度だけでなく患者背景を意識して帰宅 or 入院の判断をしよう！
④虐待の関与を忘れずに！
⑤再発防止も忘れずに！
#1. Japan Trauma Care and Research. Japan trauma Data Bank Report 2019(2014‒2018). www.jast-hp.org/trauma/pdf/ jtdb2019e.pdf(Accessed 2020/6/25)
#2. Bloch F, Jegou D, Dhainaut JF, et al. Can metabolic abnor- malities after a fall predict short term mortality in elderly patients? Eur J Epidemiol. 2009;24:357‒62.
#3. Shifflette VK, Lorenzo M, Mangram AJ, et al. Should age be a factor to change from a levelIIto a levelItrauma activa- tion? J Trauma. 2010;69:88‒92.
J-COSMO 2020年8月号スペシャルトピックは『インフォデミック』に関して.
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