見出し画像

①危険な頭痛を知る!

頭痛は救急外来でも出会う頻度の高い症候です. 医学生時代に習う「バッドで殴られた様な頭痛」であれば誰もがクモ膜下出血を考えCTを撮影すると思いますが, 患者さんが全てこのようなわかりやすい訴えで来院するかというとそうではありません. そもそもバッドで殴られたことなんてないのでどの程度の痛みがわかりませんよね?!笑
救急外来で意識すべき7つの点をピックアップしましたので早速いきましょう!

頭痛診療の心構え:頭痛 7 Rules

頭痛診療の心構え

危険な頭痛を知る!

"危険な頭痛”と聞いて, 具体的な疾患が思いつくでしょうか. クモ膜下出血, 細菌性髄膜炎, 閉塞隅角緑内障, CO中毒などなど多岐に渡りますが, その場で確定診断ができないことも少なくありません. 具体的な疾患を頭に入れておくことは大切ですが, それ以上に”マズい”サインを知っておくことが大切です.
❶最悪, ❷増悪, ❸突然発症, この3つがキーワードです(1). まずはこれらをチェックし該当するか否かを瞬時に見極めましょう. もちろん意識障害を伴っている場合やバイタルサインが安定しない場合には, それぞれ”意識障害”, “ショック”などの症候のアプローチで対応します.

一次性頭痛 vs 二次性頭痛

頭痛は大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分かれます. 一次性頭痛とは片頭痛や緊張型頭痛など, なにかマズいことが突然起こったというわけではなく, 誰もが罹りうる, それも結構な頻度で罹患する可能性のある頭痛のことです. 詳しくは後述しますが, 一次性頭痛を一次性頭痛と診断するためには, 繰り返していること, そして二次性頭痛の除外が必須となります. つまり, 目の前の患者さんの頭痛の原因が一次性頭痛と診断するためには, 二次性頭痛らしいサインを把握し, 二次性ではないと的確に見積もる必要があるのです.

二次性頭痛らしいサインとは

クモ膜下出血や感染症, さらには悪性腫瘍などに伴う頭痛を見逃さないためにSNOOP(表1)の項目を頭に入れておきましょう. それぞれの項目から具体的な疾患を想起できるようにしておいて下さいね.

画像4

参考文献

#1. Basugi M, Ikusaka M, Mikasa G, Kim : Usefulness of three simple questions to detect red flag headaches in outpatient settings. 日本頭痛学会誌 33(1) ; 30-33. 2006
#2. Dodick DW : Clinical clues(primary/secondary), The 14th Migraine Trust International symposium. London,2002.

ミュージカル好き救急医から, 知っているとチョコッと役立つ知識を少しずつお届けします. ぜひ!