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⑳高齢者はメトホルミン禁忌?

メトホルミンが2型糖尿病患者に対する第一選択薬であることは誰もが知っていると思いますが, 高齢者では使うべきではないと思っている人はいないでしょうか?
日本糖尿病学会のガイドラインでは, 75歳までとなっていますが, ADA(米国糖尿病協会)や欧州のガイドラインでは年齢制限はないのです.

腎機能障害(eGFR<30), 肝硬変, 呼吸不全, 心不全, 全身感染症, 手術前後, アルコール依存症の患者では禁忌ですが, 年齢のみを理由に中止する必要はありません.
メトホルミンは心血管イベントを有意に減らし, 体重を増やさない, 単独では低血糖のリスクが低い, 食欲抑制作用があり, トリグリセライドやLDLコレステロールを下げる働きあり, そして安価です. 禁忌でなければメトホルミンが第一選択薬なのです.

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American Diabetes Association. Pharmacologic approaches to glycemic treatment : standards of medical care in diabetes - 2020. Diabetes Care. 2020 ; 43 : S98-110.
Hong J, Zhang Y, Lai S, et al. Effects of metformin versus glipizide on cardiovascular outcomes in patients of type 2 diabetes and coronary artery disease. Diabetes Care. 2013 ; 36 : 1304-11.


J-COSMO 2020年6月号『各科の都市伝説 各科の勘違いプラクティス』
糖尿病内科医の岩岡秀明先生が『糖尿病科領域の勘違いプラクティス』としてわかりやすくまとめてくれています.
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『糖尿病科領域の勘違いプラクティス』
①75歳以上では, メトホルミンは使用すべきではない?
②インスリン療法は, 1日4回注射法がベストである?
③HbA1cは, 常に6.9%以下を目標とすることが重要である?


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