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⑰急性薬物中毒患者にはフルマゼニル?

急性薬物中毒の患者さんが意識障害を主訴に来院することはしばしば経験しますね. そんなとき, 最も頻度の高い薬剤はベンゾジアゼピン系薬(BZO)であるため, その拮抗薬であるフルマゼニル(アネキセート®)を使用したくなります. しかしこれには注意が必要です.
患者が三環系, 四環系抗うつ薬を服用していると, BZOによって抑えられていた三環系, 四環系抗うつ薬の催痙攣作用が解除され痙攣を呈することがあります.
また, BZO依存症の場合には, 離脱症状により痙攣を生じることもあります.
フルマゼニルの半減期は50分程度ですから, それよりも半減期の長いBZOを服薬している場合には, 再度意識障害をきたします. ってことであまり救急外来ではフルマゼニル使うことはないですかねぇ.


J-COSMO 2020年4月号『スペシャリストがおくるオススメ処方・ダメ処方』
救急医・精神科医の久村正樹先生が『精神科のダメ処方』としてわかりやすくまとめてくれています.
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『精神科のダメ処方』
①救急外来で不眠の患者にベンゾジアゼピン系薬を処方する.
②救急外来でうつ病を疑った患者に抗うつ薬を処方する.
③意識障害の急性薬物中毒患者にフルマゼニルを注射して覚醒を促す.


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