見出し画像

ピアノ防音室を計画する前にDIYで対処

現在、新築又は中古物件のリフォームで「ピアノ防音室」を計画中の相談者の中には、先にグランドピアノを購入した人も居ます。
それは、計画中の物件が予算を超過してしまい、年内には着工できない又は予約した物件をキャンセルして延期になっている場合があるからです。

画像の事例は、その典型的な事例であり、木造新築またはリフォームによってピアノ防音室を造る予定が諸事情で延期になりました。このため、先に購入したピアノの保管費用も嵩むので、現在の住まい(低層マンション・テラスハウスタイプ)において、ピアノを設置するため、DIYで音響・防音対策を行ったのです。

建物の構造や音響的な弱点を把握する

まず、具体的な「防音相談」として、現状の建物構造と音響的な特徴を把握することから始めました。そして、将来、引っ越しすることを前提に余り費用のかからない対策で、DIYで防音対策を行うことにしました。

この建物は、マンションと同様のコンクリート構造であり、床からの固体伝播や壁からの音の回り込みが弱点でした。(※隣人からも、音漏れを指摘されていました)

戸境壁は、ある程度の遮音性があるので、大半は床と窓際の壁からの固体伝播音を軽減することが主な対策の方針になりました。

また、現状は賃貸なので、構造物に金物を打ち込んだり、接着することは基本的に出来ないので、可動式の家具や吸音パネル(手作り)、床の防音材・敷物で調整することにしました。

窓際壁にDIYで吸音パネルを作って立てかけて音響調整

固体伝播音を軽減する防音材と吸音パネル

既存床に「遮音材」「制振材」およびタイルカーペットを重ねて敷き込み、固体伝播音(主に振動音)を抑えました。

また、壁に手作りの吸音パネルを立てかけて、反響音を吸収しました。

ピアノ設置後、依頼者からのご報告では、戸外や廊下への音漏れが大幅に軽減されたので、隣人にご報告され、演奏時間を調整されることになりました。
将来、木造のピアノ室を造るまで、このまま使用することが出来るようです。本当に良かったと思います。

この対策内容は、コンクリート構造の建物だけでなく、木造にも応用できます。ご本人が頑張れば、少ない費用でも音響・防音対策は、ある程度はできます。演奏時間を調整すれば、普通に演奏できることが可能になります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?