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専門業者・専門家のNGな言葉(生活防音)

この記事の画像(写真)は、私が担当したある住宅の防音工事現場の一コマです。ある女性の相談者に依頼された案件でした。

ゼネコン設計者、不動産コンサルタント、建築士(調査会社所属)に調査を依頼されたのですが、どの専門家も騒音対策はない、物理的に出来ないという回答でした。

それでも諦めきれない相談者は、最後の砦とまで仰って私に調査と対策検討を依頼されました。(※今回は詳細は伏せます)

専門家が発してはいけない言葉

生活騒音対策や防音工事の可否について、「対策はない」「出来ない」という言葉を専門家が安易に相談者に発してはいけないのです。それは言われた相談者は絶望して前に進めなくなるからです。

幸い、この相談者は心が強く諦めませんでした。最後に見つけた専門家が私だったそうです。私が現場を調査すると、他の専門家が見逃していた事実がいくつかあり、条件付きでなら防音工事は可能と判断しました。

相談者は私の提案内容を納得され、約1ヶ月後に防音工事を実施し、問題となっていた機械設備の稼働音を大幅に減らすことができました。そして、相談者は眠れるようになったのです。

専門家はどう説明すべきか

問題の要因と対策の可能性に言及するのはもちろんですが、自分の技術や見識で対応できない事項は、他の専門家なら出来るかもしれないので、引き続き探してみてくださいと言うべきです。

私の場合は、自分が対処できない案件は、建物の構造的な問題・安全性を最初に説明してから、複数の選択肢を提示します。ご予算に応じて相談者に判断していただくためです。いきなり「出来ません」「不可能です」とは言いません。

東京の専門家や専門業者の状況、現役のエンジニア(建築士を含む)の存在を説明してから、相談者に引き続き他の専門家を探して見るようにアドバイスすることにしています。それは、話をそこで打ち切ってしまうと、相談者には絶望感しか残らないからです。

ちなみに、前述の専門家たちは、問題を解決できなかったのに、しっかり、調査費用だけは受け取ったそうですよw・・・私の場合、問題解決に寄与できない場合、相談料は受け取ったことはないです。もちろん、これは私だけの例外なのかもしれないですが(笑)。

依頼者である、その女性は「世の中の専門家って、東京でもこんなレベルなんですかねえ」とため息をついてました。

業務完了後に、私は最大級の賛辞を頂戴しましたが、私は笑ってコメントは誤魔化しました。でも、彼女の言うとおりです。東京の専門家という先入観は不要です。地方にも優れたエンジニアは必ず居ます。ネットで全国の専門家を探せる時代になったことは、素直に喜ぶべきことだと思います。

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