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新築木造ピアノ室と施工業者

今回の事例は、グランドピアノおよび家具が設置された段階で続報をご紹介する予定ですが、ピアノ防音室は完成して、先にアップライトピアノが搬入されました。
特筆すべき点は、新築の木造ピアノ室を施工した会社の建築士が度重なる不手際で施主を怒らせ、防音設計担当の私の手間がかなり掛かったという事です。※建築会社は施主様が契約された会社であり、私との取引は初めてでした。(現場は神奈川県内です)

また、当初から非常に不注意な建築士で、電話では調子の良いことばかり言うのですが、ミスが多く何回も設計図書を私が修正して指示書を渡しました。ただし、現場を担当した下請け業者の大工職人は丁寧な仕事をしてくれました。これが救いでした。
完成写真は、後日、続報で載せる予定です。

電話とメールで繰り返し対応した防音設計

近年はすべてテレワークで防音設計と施工サポートを地方の現場と同様に行っており、決して珍しい事例ではないのですが、建築士のケアレスミスが多く、現場の職人への指示を考慮して、普通よりも倍の手間が掛かりました。
これは、私にとって想定外でした。

まず、防音計画書を施主と担当建築士にPDFで送付し、了解をいただいてから、担当費用の見積書を作成して施主御本人と直接契約しました。
なので、施工会社の建築士とは面識がなく、彼の実績もよくわからない状況で仕事が始まりました。

最初に防音施工の説明図を作成して添付ファイルで送り、担当建築士が清書して建築設計図を作成しました。
この段階ですでに複数の箇所が間違っており、修正指示書を送りました。
そして、再度確認の施工留意点を補足として作成して送付しました。

これでやっと、防音工事が始まり、不明な点は現場の職人から質問書が数回送られてきて、対応しました。その後、数点ほど質問事項がありましたが、全てクリアして工事が概成しました。

ところがです。建築士がアップライトピアノの寸法に対応した防音ドアを発注していなかったんです・笑。この時点で、施主は度重なるミスにかなり不信感を建築会社に対してお持ちになり、工事費用の見積書のときから私の方へアドバイスを求められました。※普通は工事費用の見積は私の担当ではないので見ないことにしていますが、今回は特別に対応しました。

結局、アップライトピアノは、搬入時に専門業者がドアの扉を外してから入れるという方法で、ギリギリで処理できました。最初から余裕を見て注文しておけば、こんな事にはならなかったはずです。新築設計を担当した建築士の責任です。

防音室完成後の施主様のご報告

ほとんど編集しないで、原文を抜粋します。
「防音室に関しましては、すごい!としか言いようがありません。ピアノが入らなかったら…としか考えられなくなっていましたし、工務店との関係は最悪なものになりましたので、もう、入っただけで良い、なんて思ってとりあえず弾いたんですが、ものすごい衝撃を受けました。
ホールのような音響。グランドピアノ買わなくても良いかも?と思ってしまうほどにピアノの音が違います。うちのアップライトピアノがこんなに鳴るとはびっくりです。防音もしっかりとしたもので、外からの音が入ってこないとこんなにも弾きやすいのかと感動しました。
素晴らしい音楽室を設計してくださり、ありがとうございました。」

私としては、最大級の賛辞を頂戴して安心したのですが、まだグランドピアノと家具が設置されていないので、契約書に記載された契約業務は完了していますが、私の仕事は完了していません。
最後まで音響調整のアドバイスを行う予定です。

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