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マンションリフォームの二重床の事例

これは、取引先の建築士が生活騒音の音測定などの調査を行った現場の事例を踏まえた考察です。

皆さんご存知と思いますが、上の画像のような遮音ゴム(防振ゴム)支持脚にパーティクルボードを取付けた二重床のマンションリフォームが増えています。床の高さ調整や床下配線・配管の利便性から多用されています。

この二重床は主に軽量衝撃音対策の製品です。今回の事例は重量衝撃音がリフォームする前より悪化したという現象が起き、取引先の建築士が調査したものです。リフォームを担当する建築士が、このnoteユーザーにもおられるようですので、参考情報として投稿します。

二重床・防振ゴムは重量衝撃音には万能ではない

二重床に使用される支持脚などの遮音ゴム(防振ゴム)は、振動音対策としては万能ではないのです。ある周波数帯の共振を招いて悪化させる場合があります。とくに柔らかい防振ゴムで起きるようです。

歩行したり、子供が小走りしたりすると、床の沈み込みが大きくなり、支持脚と支持脚の中間点において、たわみが大きくなり共振しやすくなります。

取引先の建築士が現場の状況を測定したところ、250Hz以下の周波数帯において、状況が悪くなっているという分析です。ちょうど重量衝撃音の主成分に該当します。これによって、階下では重量音がよけいに酷くなったと体感されたのです。(リフォームをしていない部屋との比較で判明)

防振性能が強化された製品を使用したことがアダになったと思います。もちろん、改善された周波数帯もあるのですが、音の問題の感受性は個人差が大きく、当人が気になる周波数の音が改善されない限り満足度は低くなります。

改善対策はあるのか?

リフォーム前に、上記のような現象を予測することは難しく、すべての現場で起きるわけではないので、施工内容によって変化します。

では、解体しないで改善する方法があるのかということですが、対策としてはDIYの世界になります。重量衝撃音に効果のある緩衝材・制振材と遮音材を重ねて敷き、そのうえにカーペットを載せる方法です。

これしか、重量衝撃音を軽減させる方法はないです。

ちなみに、私が前日の投稿記事で触れました遮音材の厚さですが、2.4ミリから4ミリまでしか使用しないのは、特定の周波数に同調して共振しないように遮音ゴムの厚さを制限していることも影響しています。

同様な現象が、分厚いリサイクルゴムで生じることがあります。防振ゴム・パッキンとして使用しても防音効果が出ない、あるいは逆効果になる周波数が生じることがあります。

防振ゴムは設計が難しいので、私の場合は殆ど使用しません。

今回は緊急投稿でした。今後は投稿間隔は少し開けるつもりです(笑)。

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