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マンション防音から逃げているわけではない(防音相談)

マンションユーザーからの問合せで誤解があるようです。
それは、無料相談を断っているということと、防音工事を受けないということです。

そうではないです。契約を前提にした提案書と概算見積は内容によっては、無料で作っています。いきなり料金をいただくわけではないです。
無料のための無料相談はしないということです。

今月もすでに、マンション案件はアドバイスしたあと、有料相談やご契約の話をしたら、そこで終了になりました。要するに彼らは情報だけ欲しかったのでしょう。

現在、マンションの防音工事は1件が契約になり、もう1件が予約になっています。昨年からの予約であり、リピーターと提携先が現場調査して決まった現場です。ちゃんと誠実な依頼者を選んで、仕事をお受けしています。
なんでも断っているわけではないです。

自分の技術を安売りしたくない

建築生活約40年と防音設計実務・研究約28年の経験をもとに、「自分の出来ることは最善を尽くす」という方針で、木造に限らずマンションでも取り組んでいます。
ですが、近年のマンションユーザーの相談者のレベルダウンで、契約案件が激減して、木造案件が増えている状況になっているのです。

私が自分で意図的に避けているわけでなく、世の中の流れというか、経済的な問題や依頼者の価値観の変化が起きており、その圧力には逆らえないような状況です。たぶん、これは変わらない。

自営業である私は「時間はお金以上に重要です」「そして防音設計技術をタダで渡すことはないのです」これは当たり前だと思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

自分が苦労して習得した技術を生かして仕事をするという、当たり前のことであり、民間業者としてボランティアだけで生活はできない。相談者だって自営業や会社員として収入を得ているわけです。
自分勝手な人がマンション居住者に多いのが、とても残念です。

マンション案件は難しい問題が集約されている

「躯体や内装構造が見えない」「共用設備には基本的に触れない」「騒音の伝播経路が見えない」「大震災以降、天井及び共有壁にアンカー・ビスが打てない」など色々な制約があり、天井と戸境壁については、特殊な防音施工になることが多いという事情があります。

また、身近な生活騒音として、上階からの足音など振動音は、大半の主成分が低周波の領域になり、効果的な防音対策には複数の前提条件や特殊な施工などクリアすべき問題があります。住宅の防音設計の分野では、かなり難易度の高い課題です。設計マニュアルもありません。

このような案件を、「無料相談」と言われても「正直。は??」という気持ちが湧いてきます。もっと、ネット上の事例など情報を沢山見れば、その難しさや専門業者を探すことの大変さが理解できると思います。

理解できないのなら、専門家に相談することは失礼なので止めたほうが良いです。自己責任で他の業者に依頼したらいいでしょう。

もう、私は若くない。あと自営業を継続できるのは10年程度と思っています。毎年、真剣に取り組んでいるので、余計な時間を浪費したくない。

これが正直な気持ちです。他に良い専門家が居ると思う人は、探したら良いでしょう。気の済むまで。ただし、他の専門業者が工事したあとで、再相談されても、それは「後の祭り」です。


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