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防音材の誇大広告にご注意

商品やサービスについての、うそや大げさな表示を不当表示といい、景品表示法により禁止されています。
ところが、防音材の通販サイトでは、誇大広告や不当表示がされている製品が少なくなく、その典型がコルクマット・クッションマットのLL表示です。また、天井に貼り付けるだけで「上階からの騒音を大幅に軽減できる」という商品を通販業者が今でもウェブサイトに表示しています。

これらの業者は検索エンジン対策に力を入れているため、Google検索で上位に出てきます。遮音シートや鉛シートの防音効果も、使用条件や施工要領も示さずに販売しています。

防音材は施工要領や使用条件を明示すべき

防音職人では、使用目的や施工方法に問題がある場合は、防音材を一切販売しません。たまに、防音材の納品だけ希望される相談者が居ますが、基本的にコンサルティングや防音設計の契約とセットで納品します。

大手メーカーの市販品でさえ、施工要領が間違ったまま販売されている防音材がまだ存在します。
有名メーカーだから安心という保証は何もありません。

製品を求めるユーザーにも問題があります。コンサルティングや防音設計費用を削るために、防音材の納品だけ要望することは、自己責任ですから、あとでクレームを付けても、後の祭りです。私はそのようなユーザーには同情しません。
ただし、販売業者のウェブサイトに掲載されている施工要領など取説の通りに施工して防音効果がない場合は、その業者にクレームを付けるのは、当たり前の行為なので、遠慮する必要はありません。

建築士でも適切な防音材を選択するのは難しい

専門業者の私でさえ、使用実績のない防音材は推奨できません。実例の情報がネット上に出てこないからです。
あくまで、「自分が担当する現場で使用する製品」や「信用できる取引先が施工した現場の効果に関するデータ」を入手できた場合のみ、防音効果を検証して評価できます。

自分自身が評価できない防音材を、人様に推奨することは出来ません。
なので、私の提携先や取引先の建築士は、自分では製品を選択することはありません。必ず、私を含めた専門家の評価を確認してから設計します。

私の提携先の建築士は、専門外の設計仕様について責任を持って、施主に提示することは出来ないと言います。
彼らは、責任を持てない設計をすること自体が無責任だと言います。

これから防音工事を計画する人は、以上の事実を頭に入れて、建築業者・専門業者を探してください。

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