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木造ピアノ室は建物全体が楽器のようだ

木造ピアノ室は「建物全体で鳴る楽器のようだ」というコンセプトは、あるピアニストや複数の音楽家からの体験報告の中から生まれました。私の担当した現場の施主様からいただいた貴重なご意見や感想が、私の心の支えでした。このコンセプトは「木造軸組在来工法」の音楽室のためにある言葉です。

木造ピアノ室の留意点と参考情報

ピアニストなどの音楽家からのアプローチや体験が、防音設計を担当する専門業者やエンジニアの仕様・工法に反映されないのはどうしてなのか?と長年疑問に思っていました。それは、きっと情報不足に加えて、木造の長所など価値が十分に理解されていないことが原因ではないか、と考えるようになりました。

そこで少しでも参考になる情報を発信するため、関連情報を少しまとめたのが次のページです。→木造軸組在来工法とピアノ室

音響・防音設計の考え方として参考にしていただければ幸いです。

ピアノ室と無垢杉材

今までの投稿でもピアニストは無垢杉材フローリングを音響的に好むという話を書きましたが、これは針葉樹が持つ柔らかい特性と、素材そのものが二次共振しないため、ピュアな音響が得られるという特長によるものだと、私は理解しています。

羽目板にも杉材が使用されることがありますが、比較的狭い音楽室に活用すると、落ち着いた音響効果が得られます。我が国には、手入れがされていない杉の植林が散在していますが、本当にもったいないと思います。

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木造軸組在来工法と床下換気

木造軸組在来工法の構造的な特徴の一つに、大引きと束などから構成される床下がありますが、この空間は木造建物の寿命にとって必要不可欠なものです。この空間を潰して、床下換気を遮断する工法による防音工事をする専門業者が沢山いますが、木造ピアノ室を台無しにしてしまう愚行です。

とくにグランドピアノは、木造建物全体で響かせる楽器ですから、床下を潰したら音響が悪化するだけでなく、建物も劣化します。木材の効果や特性を全く無視した工法です。これから、新築やリフォームで木造ピアノ室を計画しているかたは、ご注意ください。

*参考事例:グランドピアノ防音室 | 木造ピアノ・音楽室

*関連記事:ピアノ防音室と防音材

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