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進路編

通っていた高校では、専門学校希望者は就職クラスの方に入るらしく、そう思ってわざわざ3年生になった時に特進クラスから就職クラスに変更したのに、担任の先生も親も私の進路について特に関心もなかったようだ。

それが分かるのが最終進路三者懇談会の時だ。

改めて進路について先生から聞かれる。
専門学校に行こうと思ってると答え、その希望校のパンフを先生に見せる。
担任はふーん。と眺める。
先生が母親に確かめる。こちらに進学を希望ということですかね?
それに対し、親は
出来ればすぐに就職して欲しいんですが、学校を出た方がいい仕事があるんですかね?

????
何だこの会話。

もう進路決定直前の会話とは思えない。
確か2年生の頃からずっと一貫して希望進路は記入してきたはずなのに、担任も知らなかったら親も希望校パンフすら見ないし。
結局、父親にも相談してみると持ち帰りになった。

こんな直前に決めなきゃならないのか。
娘の進路に興味事に関心無さすぎだろう。
だが、専門学校に行くにしろ親の協力無しには無理だ。

私は希望校パンフレットを父親に見せた。
音響の勉強をしてその仕事に就きたいと伝えた。
そのパンフには、煌びやかな学生が歌ったり演奏したりする姿の写真が大きく載っていた。

それを見てすぐに父親は
芸能界か!無理やぞ。
と言った。
全く話にならない。

凝り固まった昔の親には、事細かな説明をしてもそれはただ夢を追いたい子供がせがんでいるだけの図になるしかならない。

昔は、就職ならなるたけ大手企業、又は公務員。
進学はいい就職先に就く為に大学行く。ものであった。

父親に確認する。
専門学校は無理でも、だったら短期大学ならいいか?
簡単にOKが出た。
とりあえず短大に行く許可を取る。

専門学校に行けないとなると、残された道は大学か就職。

学校就職に来ている事務業やサービス業をすることなど1ミリも考えたことがない。

進学にしても、すでに就職クラスに入ってしまっているため今から4大への勉強も手遅れだ。
短大…には行けるのか?

大急ぎで私は短大を調べた。
大体が国文科か英文科であった。
国文科を選ぶほど興味もなければ、英文科を選ぶほど英語の成績がいい訳でもない。

かなり調べた時に、それ以外の学科が入ってある学校を見つけた。
その中のコースに情報文科コースというものがあって、中身の教科には1つ「音響映像論」というものが入っていた。

ここしかない!

少しでも音響のことが学べる短大はここしかなかった。
たったその1教科の為にその大学を入試することにした。

親には細かな説明はせず、その短大を受けて、もし落ちたら就職する。という約束をした。

もちろん、落ちた時の就職のことなんてその時には何も考えていなかった。

結果、その短期大学に行くことになった。

しかも、通うには少し不便なところだったので、高校卒業すると共に家を出て、一人暮らしをしながら大学生活を送ることになった。

理解のある大人が周りに居なかったり、紆余曲折した人生だが、短期大学でも通わせてくれ、家も出させてくれたりしてくれた両親には感謝している。

恐らくもっと頑固で選択余地のない進路を強いられている家庭も少なくなかっただろうと思っているからだ。


大学生時代へと
つづく。

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