ショートショート「AIに教えられたこと」
教師不足が騒がれ始め
長きに渡り試行錯誤が繰り返されていた
そんな中、AIを教師にした教育が
一つの成果を上げ始める
生徒達は、オンラインでも現実の教室でも
教育を受ける場所を選ばず
24時間、365日、自分の好きなタイミングで
最適なカリキュラムを受けられるようになった
AIの見た目は、無機質なものだと
あまりにも味気なくなってしまい
生徒達の集中力や、学習への愛着が湧かず
実際の人物を用意し
オンラインではその人物のアバターを作成し
AIによってリアルに動き、喋り
教室ではその人物にAIによる文章を話させることで
生徒達にはAIによる教育であることを明かさずに
進めることができたのだった
AI教育を受けた生徒達は
それぞれに合わせた教育を施され
それぞれの個性が伸び
色々な分野へと飛び立つことになった
ただ、それぞれに合わせた教育は施されたが
学校での思い出は
「AIによる均一化」の影響が出始める
全ての生徒達が全く同じ思い出を共有していたのだ
AIに教えられたことで
個性は伸びたが
個人の思い出は無くなってしまった
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