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ショートショート「殺人サーブ」

「こちらです!よろしくお願いします!」
ここは暗殺者ギルド

ここには名うての殺し屋たちがひしめいている
そんな中で一番の名うて
それは、どんな依頼も確実に適性のある仕事人に
依頼をサーブするこの人
受付の「メチヤ・メキキヨキネン」
「殺人サーブ」の二つ名を持つ人物だ

メチヤの依頼書サーブの朝は早い
まず、前日までの残った依頼書の確認だ
素早く目を通すと、適した仕事人に連絡を送る
どうにも怪しい依頼はそっと奥の方にしまい
無駄な暗殺は行わないのだ

ギルド開所
メチヤのサーブが冴える
仕事人たちがギルドに入るや否や
依頼書が飛んでくる
ここに来れば仕事に困らない
と言うのは、いくらでも依頼がある
と言うことではなく
入った瞬間に自分に適した依頼が飛んでくることを
表すのだ

そのまま、一日サーブを続け
帰宅する
ここでも、メチヤは余念がない
壁の的に向かい、依頼書と同じ紙を投げ
中心から端まで順に突き刺し
サーブのキレを確認
そして、疲れを癒し眠りにつく

メキキの殺人サーブが
この町の平和を守り
未然に大犯罪を防ぎ
無益な殺生が行われていないことを
知る人は少ない



お題提供:浜崎聡さん
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