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お味噌汁と大豆

晩ご飯

今日、晩ご飯に豚の角煮と豚汁を買いました。お会計を済ませてから
「しまった。豚がかぶってしまった。」
と、軽く孤独のグルメごっこをした後、お味噌汁についてちょっと浮かんだので、書いてみたいと思います。

豆腐と油揚げのお味噌汁

お味噌汁の具といえば?と言うアンケートを取れば、たぶんどの年代でも五指に入ってくると思われるのが、豆腐と油揚げ(厚揚げ・薄揚げ)のお味噌汁界のツートップ。ここにワカメを入れた「味噌汁BIG3」を提唱する派閥と、長ネギを入れた「世界三大味噌汁の具」を提唱する派閥の骨肉の争いは、また今度にして、今回は、豆腐と油揚げのお味噌汁に思いを馳せたいと思います。

大豆しか入ってない

そうなんです。豆腐と油揚げのお味噌汁って、ほぼ大豆のみで構成されてるんですよね。たぶん、お味噌汁でネタを書く人の7割はこれについてネタにしてるんじゃないかなってくらい、大豆しか入ってないんですよ。
これ、大豆からしたら
「こ、こいつら、俺たちをあらゆる方法で味わい尽くしてやがる……!」
ってなってると思いませんか。大豆目線で豆腐と油揚げのお味噌汁を見ると、恐怖ですよね。
自分たちを水の中で一晩寝かせ、原型がなくなるまですり潰し、それだけでは飽き足らず麹菌に感染させ、発酵。自分がなんだったのかを思い出せない味噌にしたうえに、色々な干からびた生き物たちの旨みが溶け込んだ熱湯に投入。
ひー!ベースの味噌汁だけでも、大豆地獄!

さらに、豆腐!
水の中で一晩寝かされた大豆たち。
「俺たちも、あいつらみたいに味噌にされちまうのか……」
と、一晩明けた彼らに待っていたのは、石臼!
「な!?なんだ!潰され方が違うぞ!?」
無残にもクリーム状にされ「呉」にされてしまった大豆たち!
だが、彼らを待ち受けていたものはこれだけではなかった!
「あ、熱い!?これは、釜?俺たちはどうなってしまうんだ!?」
熱される呉!適度な濃度に調整され、しっかりと炊き上げられてしまう!
「次はなんだ!?自分が自分ではなくなる?体と心が別れるようだ!」
炊き上げられた呉は布の海へ!
なんと、布で丁寧に越された彼らは、豆乳とおからに!
しかし、別たれた彼らに安息の時間はなかった!
「に、苦い!苦すぎる!?これはなんだ!?しかも、体が……固く……!?」
にがり!
強烈な苦味で責められる呉を経て、おからと涙の別れを告げた豆乳たち!
ついに、豆腐となってしまった!
そんな豆腐たちを一口大に切り分け、無慈悲にも先程のお味噌汁の中に投入!
豆腐のお味噌汁だ!
だが豆腐になった大豆たちに襲いかかる過酷な試練はこれだけではなかった!

「俺たち、豆腐になっちまったのか。後は、冷奴かお味噌汁になる運命か。」
そう覚悟決めていた豆腐たち!
だが、彼らが向かった先は、煮えたぎる油!
「なぜだ!?なぜ、こんなところに!?やめろ!俺たちをどうするつもりだ!」
薄切りにされ、高温の油へ投げ込まれる豆腐!
絶体絶命!
彼らはどうなってしまうのか!?
「な、なんだ?体の周りがきつね色に!?俺たちは一体?」
油揚げ!
そう!呉になり、おからと別れ豆乳を経て、にがりを味わわされ豆腐になった彼らは、高温の油の中で油揚げになってしまったのだ!
「へ、ここまで来ればなんにも怖くねぇや!煮るなり焼くなり好きにしな!」
煮ても焼いても美味い!油揚げは調理の幅が広いのだ!
そして、熱湯をかけられ、油抜きをすまされた油揚げ!
ついに、先程のお味噌汁の中に!そう!
豆腐と油揚げのお味噌汁の完成である!
「おまえたち!?」
「おまえ、味噌になってたんだな。」
「おまえこそ、豆腐に。」
「へへ。みんな変わっちまったな。」
「だな。」
「でもまぁ、ここでおまえらに会えてよかったぜ。」
「そうだな。今じゃ一つの『お味噌汁』だ。」
一度は、バラバラの豆生を歩んだ大豆たち。
しかし、豆腐と油揚げのお味噌汁として、今、一つの豆生を歩む彼ら。
そんな彼らを思うと、涙なしでは食べられない、豆腐と油揚げのお味噌汁。
さぁ!大きな声で感謝して、完食しよう!

「いただきます!」

なんの話だこれ

大豆ってすごいですよね。醤油とか納豆とかきな粉とか。まだまだ大豆ドラマが広がりますね。じぶんも、大豆みたいにいろんな味わい方ができる人間になりたいです!

とりあえず、いいこと風なこと言ってまとめてみました。

それでは、本日はこの辺りで。

失礼します。

bow


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