真剣に失敗します
僕は幼い頃からかなりの負けず嫌いで、どんな人にも負けたくないと思っていました。
しかし当然負けることがありますから、そんな時は涙を流して泣いていました。
足は速かったので運動会では自分の負けず嫌いな気持ちを何とか慰められましたが、球技などのスポーツはとても苦手で、いつも負けてこっそり泣いていました。
だからと言って、身体を鍛えてスポーツが得意になろうとはしなかったわけですから、単なる負け犬の涙であり、ただ「負けることが嫌だった」というだけなのでした。
自分が何かをがんばろうと決意した時に、その道ですでに成功している人たちの様子を見て敗北感を感じることがあります。
しかしそれは、その道で成功したいというのが夢なのではなくて、ただ単に勝ちたい、誰かに勝ちたい、何かに勝ちたい、勝利感を味わいたいという、勝ち負けそのものが目的になってしまっていると思います。
自分は本当に上達を目指したいのか、それともただ単に、勝ち負けに一喜一憂したいだけなのかを自己分析するようにしています。
そして、勝ち負けに一喜一憂することが目的なのではなく、技術を向上させたい、その道を究めたいということが目的であると認識できたなら、まず「負ける」ということに積極的になってみます。
真剣に負けることを考えます。
真剣に負けるためには、まず、真剣に準備をしなければいけません。
真剣に準備をして、真剣に実践して、真剣に勝負をして、そして失敗します。
その時に、「負けました」と声に出して言ってみます。
「悔しい」という感情が自分の中から消えるのを祈るように、おまじないのように言ってみます。
悔しさが消えるまで何度も「負けました」と言ってみましょう。
そうやって、悔しい気持ちを制御できるようになって初めて、勝ち負けに一喜一憂するのではなく、技術向上の道を歩み始めることができます。
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