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ZE8000を買った(比較が辛口につき注意)

しかもmk2じゃないほう。

いやね、イヤホン(WF-1000XM4)の左をどこかに落としまして。
恐らくカラビナ使ってベルトループにひっかけていたんですが、シリコンケースがバカになっていたので多分どこかにひっかけてコロリ、と。
(紛失も一応修理対応できる範囲のようなので見積もり取ってるところ)

で、WF-1000XM4の音質や機能面は優等生で気に入っている一方で万能選手すぎる感じはちょっと感じているのと、持病であるバッテリー摩耗周りで一度苦労したこともあり、なんとなくWF-1000XM5に食指が伸びない。(試聴もせず)

じゃあ修理はするとしても、これを機に何か別の機種を買うのもいいか、と思いまして数機種試聴して上記に決めました。

ざっくり試聴した感じは以下の通り。

【EAH-AZ80(Technics)】
試聴前は第一候補だった。評判がいいし機能面も文句なし。ただ実際音を聴いた時に真っ先に候補から外したのも実はこいつ。

はっきり言えば、自分が作った曲を聴いた時に全く出音が違う。ミックスで意図していたものが反映できていない音になっている。高域こんなに持ち上げていないし、なんか音場も意図と違う出方をしている。ちょっとイラっとした。

これは色んな意味で避けた方がいいかなーと。(イラストレーターが脚色されたモニタを嫌うのと同じ意味で、これで曲を聴くのはまずい、という感じかな)

往年のTechnicsやPanasonicらしい線の細い、若干シャリ感を伴う繊細な音ではあったので、ノリよく弦楽器入りの曲(ロックとかアコギとかピアノ)を聴きたい人にはいいかもしれない。


【MOMENTUM True Wireless 4(ゼンハイザー)】
これも巷で評価が良かったので気にはなっていた。確かに全体的な雰囲気や解像度は良いし、暖色系のオーディオ感が前面に出ている。費用対効果的にも納得感があるし悪くないと思ったんだけど、ちょっと低域盛りすぎだなーというところ。こういう部分はJVCのHA-FX850なんかと傾向は似ている気がした。決して全体像として似ている感じはしないけど共通項はある感じ。

結論、良い機種だけど好みではないなという形。自分は寒色系のイヤホンが好きなのだ。でもこれはこれで好きな人多いんじゃないかな。


【ZE8000(FINAL)】
巷では評判が分かれる機種。原因は割と分かりやすかった。大きく分けて以下が原因。

1.装着感が良くない(フィットしにくい)
2.キャラクターが強すぎる
3.売り込み方のミス

1はノズルが短すぎる。言い方を変えると装着時の遊びが小さい。ましてや密閉度を稼ぐときにこのイヤホンは耳孔だけでなくて、一般的な非カナルイヤホンよろしくその外周部の密着度が要求される傾向にあるんだけど、肝心のそこの座りが悪い。結果として意図していない音で鳴っているパターンが多いのだろうと思う。

実際価格ドットコムのレビューでも「ねじ入れて密閉度を上げる」ことを正解とする人と「隙間をあえて作る」ことを正解とする人に分かれている。

2は例えるなら、「解像度特化有線イヤホン=ER-4S」みたいな公式が往年のイヤホンファンは想像できると思うんだけど、こういうパターンにはめた方がいいキャラクター性がある。結構極端なんよね。

で、何に特化しているかというと「楽器の分離」「楽器の位置関係」なんだろうと思う。元々ワイヤレスイヤホンはクロストークがほぼ発生しないことからこういう分離感は得意とする傾向が強いと思うけど、それに加えてミドルハイやローのパート分けが明瞭なので、そこに特化したイヤホン、と捉えた方が分かりやすいと思う。

ただER-4Sも一般受けしない。ましてや「解像度」みたいな分かりやすい科目の成績優秀者じゃないしドンシャリでもないのでそこにビットが立たない人(=音がバラバラでまとまりがない、という評し方をされる人)からはウケがとにかく悪いということになる。

ロックがモタるという人もいるけど、あまり個人的にそういう印象を強くは感じなかった(全くと言うと嘘にはなる)。
どちらかというと「スピード感」って因数分解すると高域を持ち上げて解像度高いイヤホンがきっちり制動されていれば出てくるキャラクターだと思うので、「高域が持ち上がっていない」点とトレードオフかとは思う。

ただもう少し制動力のあるアンプを積む、というのは必要かもしれない、とは。若干アンプ部が負けてる?

で、一番のミスは3。上記キャラクターを「8K SOUND」と言いたかったんだろうけど、この表現をした結果、1の正解がマスキングされちゃっている。要は「音がフラット傾向で分離感が素晴らしいイヤホンです」と言えばいいところをそう言わなかったことで「既存のイヤホンと全然違う」という先入観が出来てしまっている。

結果「既存のイヤホンと全然違う音」が「実は装着ミス」であったとしても自己解決に繋がらず、「そんなものだ」という誤った理解に誘導させてしまっている。これは売り込み方だけが原因じゃなくて、FINALという会社のユーザー層には割と熱心なファンが多いことも一因だとは思うけど。

装着感の座りが悪いことと、筐体が諸々大きいことは気になるし、質感も価格を考えるともう少し良くできる余地はあったのでは?(特に充電ケース)とは思わなくもないけど音質だけで言えば、ミドルのシャカシャカ感を除けば優秀だと思う。ただこのミドルのシャカシャカ感は解像度不足とかではなくて、帯域バランスに由来するものな気もするので致し方ないかな…。

あとイヤピースで遊べないのは地味につまらない。


【ZE8000mk2(FINAL)】
上記機種の装着感を改善し、もっと音の傾向を一般化したイヤホン、といった感じ。自分はER-4Sみたいなイヤホン大好き人間なので、多分同価格でもこちらは選ばないかな、というところ。汎用性は上がっていると思う。


結果としてZE8000を選択。致命的だったのは事前候補が割と「原音再生」から距離をとっているタイプだった、ってところかも。この辺りはWF-1000XM4は割と優秀だったのかなと今更。

音質で評価の良いFALCONは、過去に吊るしのイヤピースを耳側に残して行かれる経験を試聴段階で経験していたので今回は考慮から外した。直っているかもしれないけど、そういうのって製品の最終チェックで検証できるはずなので「そういうメーカー」なのだと勝手に思っている。

AVIOTも過去使用していた時期があるので今回は候補外(気に入ってはいた)。

それにしてもWF-1000XM4にせよZE8000にせよケースから取り出しにくいのよ。なんとかしてくれーい。

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