【車やバイクの話2】走行距離とオイルの劣化の関係
前回に引き続きエンジンオイルについて解説したいと思います。
今回はエンジンオイルの劣化と走行距離の関係について解説します。
シビアコンディション
同じ年式の車・バイクでもその使用方法によってコンディションは変わってきます。
車にとって厳しい使用状況、負担の大きい使われ方を「シビアコンディション」と呼びます。
シビアコンディションは具体的には下記のような使用状況を指します。
走行距離が多い
悪路での走行が多い
山道・登降坂路での走行が多い
短距離の走行が多い
低速での走行が多い
走行距離が多い
一般的な乗用車の年間走行距離は10,000km程度と言われています。
これを超えると走行距離が多いということになり、パーツの摩耗やオイルの劣化は進みやすくなり、「シビアコンディション」であると言えます。
あくまでも、一般的な車両の例であり、業務用の車両(バンやトラックなど)は、この限りではありません。
悪路での走行が多い
悪路とは、舗装されていない道や、砂利道、雪道などです。
走行中に石を跳ね上げたり、走行中に強い衝撃を感じるような道は悪路と言えます。
このような悪路での走行が、走行距離の30%を超える場合には、悪路での走行が多いと判断でき「シビアコンディション」と言えます。
山道・登降坂路での走行が多い
上り下りが多い道路では、ブレーキを使用する頻度が高くなり、車両に負担がかかります。
このような道の走行が走行距離の30%以上ある場合は「シビアコンディション」となります。
短距離での走行が多い
1回の走行距離が短い場合にも車両にとって負担となります。
8km以下の走行を繰り返し行うと、冷却水やエンジンオイルなどの温度が低いままでの走行が多くなることから、オイルの劣化に繋がります。
エンジンオイルがエンジン内部の隙間と埋め、金属同士の摩擦を減らす役割や、清浄作用を発揮するには、90度〜100度が適温となります。
短距離走行ではここまで温度が上がら走行が続くため、パーツにダメージを与え、「シビアコンディション」と言えます。
低速での走行が多い
時速30km以下での走行が続いたり、アイドリング状態が長いと、冷却水やエンジンオイルの温度があがらず、短距離走行時と同様にリスクが発生します。
渋滞の多い道の走行がメインとなる場合などに該当します。
このような使用状況も「シビアコンディション」と言えます。
ノーマルコンディション
ノーマルコンディションとは、常時一定のスピードで走行することをいいます。
発車時には急加速なくゆっくりと加速し、減速時も丁寧なブレーキングを行い、走行する道路は坂道やカーブ、起伏が少ないことが条件となります。
エンジンオイル交換の目安
シビアコンディションとノーマルコンディションでは、車両のダメージに違いがあり、エンジンオイルの劣化度合いにも違いがあることがわかりました。
当然ですが、コンディションの違いによって、オイルの交換のタイミングは変わってきます。
各コンデションの交換のタイミングは以下の通りです。
ノーマルコンディションの場合
走行距離:10,000km
期間:12ヶ月
シビアコンディションの場合
走行距離:3,000km
期間:12ヶ月
このように、走行距離か使用期間の早い方を目安に交換します。
これはあくまでも目安であるため、これよりも早い段階で交換をしておくほうが望ましいと言えます。
症状で見る交換のポイント
エンジンオイルの交換は、上記の走行距離と期間だけではなく、車両の症状も交換のポイントがあります。
下記のような症状が出た際には、即時点検を行い、オイルの交換か、補充が必要となります。
通常はこのようなシグナルが出るまでに、オイルの交換・補充を行うように心がけましょう。
オイルランプの点灯・点滅した
エンジン音が大きくなった
水温計が高い
アイドリングの不調
オイルランプの点灯・点滅した
原因:オイルの量が減少し不足したさや、オイルの粘度が低下したなどの場合には点灯します。
エンジン音が大きくなった
原因:オイルフィルターが詰まったり、オイルの粘度が低下するなどの劣化により、エンジンの潤滑性や密閉性が損なわれ、エンジン音が大きくなります。
水温計が高い
原因:エンジンオイルの役割であり冷却の作用が低下している可能性あり
アイドリングの不調
原因:エンジンオイルの量が少ない、劣化し性能が低下している
まとめ
エンジンオイルの交換の目安について解説しました。
不調が出るまでに交換をすることが望ましいと言えます。
オイルを交換せずに走行を続けるとエンジンの故障に繋がり、車が動かないといった深刻な状況になってしまいます。
エンジンオイルは消耗品ですから、しっかりと管理をすることで、車両を良い状態に保つことができます。
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