【エッセイ】アノ娘の涙とラッツ&スター
涙を流せる若さは美しい。
そばで女の子が泣いている。時折肩を上下に、声を抑えきれず、泣く。泣く。
ハンカチを濡らせば尚美しい。
私にはもうその澄んだ雫はない。
憧れ、見惚れ、訝る程の、その美しさ。
アコースティックギターの音色が合うだろうか?いや、ベタすぎて粋にかける。
ワインは白が良い。シャルドネでは華やかすぎる。リースリングとまではいかないが甘味が彼女を慰めてほしい。
だけどもその甘味は慰めとなれど彼女の傷までは癒してくれない。
ならば音楽はより暖かく、夕焼けのような暁、和音。
ラッツ&スターが良い。
その美しさが、したたかな妖艶をまとって、可憐な君がいる明日が来ますように。
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