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イギリスの中の異国、ウェールズ

前回のブログからずいぶんと間が空いてしまいました。

ここ数ヶ月、とあるプロジェクトに関わらせていただくことになり、それはそれで非常にありがたいことだったのですが、多忙でパソコン作業が普段の数倍に。仕事がひと段落した今月、心身のリフレッシュのためにウェールズに一週間ほど滞在してきました。

海外旅行はおろか、イギリスでは外食も禁止の日々が続いた昨年と今年。旅行と呼べるものは1年半以上ぶりです。しかも寒くて雨が多いイギリスの春秋冬から逃げるように、ここ数年は南欧ばかり行っていたので、国内旅行は本当に久しぶり。実はあまり期待しないで訪れたウェールズだったのですが(ごめんなさい!)、結果的には;

「こんなに良いところなんて知らなかった。もっと早く行っておけばよかった〜」

滞在中ずっと最高のお天気に恵まれた、ということがかなり重要なポイントだったようにも思いますが、夏のウェールズに心身ともに癒されて帰ってきました。まさに『ソウル・レメディ(魂の薬)』になってくれたウェールズの雰囲気が少しでも伝わることを願って、私が体験したウェールズのことを少し書いてみます。

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今回滞在先に選んだのは、ウェールズの北西部にあるLlandoggedという小さな村。道路の標識も、パーキングメーターの表示も、まずはウェールズ語が先で、英語は後。たまに、英語の表示がない看板などをみかけるときには、「ここはやはり異国なのだ」と感じる瞬間です。あとから調べたら、ウェールズでもこの地方は、大人だけでなく子供たちも、英語でなくウェールズ語が第一言語、という人たちが多く住んでいる、とのことでした。

ここ数年の旅行はいつも民泊なのですが、今回の民泊先は、馬小屋だった建物をワンベッドルームのコテージに改装したという、あるお宅の離れ。秋から息子さんの住居になるのだけど、夏だけ貸し出してみた、とのことでした。なんと私たちが民泊ゲスト第一号!

私が滞在中に言葉を交わしたこの地域の方たちは、誰もがたくましく、しっかりしたエネルギーを持っているのが印象的でした。民泊先の家のオーナー、ジュリーさんも、遠慮やてらいや含みのある表現が一切ないまっすぐな言葉を、まっすぐに向けてこられる。こちらも、ロンドンで会話する時よりハラに力を入れて、体に厚みを持たせてしっかり応答しないと、という感じになってくるのでした。ロンドン(や日本)にいるときの感じでちょっと遠慮がちに何かを言ったりすると、自分の薄っぺらな言葉がふら〜っと風に飛ばされて相手に届かない。

以前、『鳥になってしまったら。。。デジタル時代の心身のケア』という記事などでも触れたのですが、パソコン、デジタル、インターネット、といったことに関わる時間が多いと、どうしても頭のほうに気が上がってしまい、「自分という存在が身体にしっかり根付く感覚」が薄れてしまうように感じます。こんな状態での人々のやりとりは、知らない間に、「本当の会話」からずれたものになってしまうのかもしれません。

*   *   *

今回の滞在先のコテージは、前の庭がバルコニーのようになっていて、素晴らしい眺めだったのですが(↓)、この豊かな気に満ち満ちた場所に立っているだけで、頭にこもった熱がふーっと下のほうに落ちてくるようでした。日々のケアに加えて、たまにしっかりと時間をとって自然に包まれることの大切さを実感。そして自然音しか聞こえない静かな空間。これも大事ですね。

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その前庭/バルコニーには、火を焚いて楽しむためのfire pitというものが置かれていて、夜には小さな小さなキャンプファイヤーを。ジュリーさんは、「休暇なんだから楽しまなきゃだめよ!」と、木切れだけでなく、なんとマシュマロと長いフォークも持ってきてくださいました。とにかく親切(涙)。。アメリカのキャンプファイヤーで定番の食べ物/イベントであるtoasted marshmallows(スティックに刺したマシュマロを火で炙って焦がしてハフハフと食べる)は、ウェールズでも定番だと学んだのでした。(写真は撮らなかったのですが、ご興味のある方、こんな感じです。)

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ウェールズというと、ひつじ、山、寒い、というイメージしかなかったので、車で20分から1時間くらいの範囲の場所には、大小の美しいビーチが数多くあったのも意外な発見でした。なだらかな山々を眺めながら温かい海水に浸っていると、「ここはスペイン?イタリア?ギリシャ?」みたいな錯覚に陥ることも何度か。海岸好きの私としては、イングランドでもいくつもの場所を見てまわったのですが、どちらかというと私の主観では、「海外旅行が流行る以前の時代に旺盛を極めたが、今はその面影もなく。。」というところが多かったです。それに比べてウェールズのビーチたちは、ずっとゆるやかに途切れなく気軽に楽しまれてきた、という感じがしたのでした。

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今回は、ウェールズの北や西の一部しか行かなかったのですが、とにかく「豊か」「満ちる」といった言葉を使って表現したくなるような空気感が印象的。渓谷の景観や、イングランドとの距離感などはスコットランドに似ているのに、スコットランドとはエネルギーが全然違う不思議な土地でした。パソコン疲れの心身を、たっぷりの生命力で包んで癒してくれたウェールズの地の神様(?)には感謝しかありません。冬は風も強く、寒くてなかなか厳しい環境のようなのですが、ぜひまた訪れてみたい場所です。

写真はあまり撮らなかったのですが、下記にあと少しだけご紹介します:

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       湖も美しい。。

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   とある小さな村で見かけた愛らしい壁画。鳩とりんごの部分は3D。


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ウェールズは海の幸、山の幸が豊かなので、美味しい食事にありつけることも多いと学ぶ。海辺の町でギリシャ料理など食べていると、気分はもう♬ 

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最も西端の聖なる地、ホーリーヘッドへ。今回は残念ながら行けなかったのですが、ちょと足を延ばすと巨石群なども数多く見ることができる土地です。以前《嵐が丘》のヨークシャーではちょこっとしか見られなかった紫のヒースの丘。今回ホーリーヘッドをはじめ、多くの場所で一面紫の丘を生まれて初めて見ることができて感激でした!写真の質が悪く、残念なのですが、上記の灯台の右方や左下がうっすら紫になっているのがヒースです。ついでにあと数枚。。

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ウェールズの癒しの風が皆様に届きますように。日本は猛暑が続いていることと思いますが、どうぞくれぐれもご自愛ください。
ここまでお読みくださりありがとうございました。🍀


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