🎬『レッドタートル ある島の物語 (2016)』

皆様ご存知ジブリの作品だが、監督および原作/脚本は、オランダ出身のアニメクリエーター、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットというお方。「セリフ無し」と決めたのは「絵に力を感じた」プロデューサーの鈴木敏夫氏。他の動画で「自分で考えることで楽しくなる」と語っている。

登場人物は、男と女、その間に生まれた子供。セリフがないゆえ、どうしても、所作や表情、そして、発せられる無言の声に注意を惹かれていく。セリフがあったら、まったく違った映画になるのだろう。ある日、子供が旅立ちを決意し、両親に無言で伝えるシーンが一番印象的だった。

[追記]

好き嫌いが真っ二つに分かれる作品だとは思う一方、タイミングさえ合えば、誰もが楽しめるのではないかとも思う。最後まで見れないだろうなと思って見はじめたが、結局飽きずに最後まで見てしまった。期間を置いて、もう一度視聴したら、印象が大きく異なるような気がする。

『レッドタートル』と題されているが、副題の『ある島の物語』の方がしっくりくる。アニミズムやアダムとイヴを想起させる箇所はあるが、言葉で溢れている現在も変わらず存在している言葉を介さない「感応力」について考えさせられた。先入観を排して、見ること、感じること。