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ひとは息をする時、そこに空気があることを意識などしない〜空気を読むことに疲れた大人たちへ〜

空気を読むことに疲れる方たち

 空気を読むのに疲れた、いちいち空気を読んでなんかいると、自分が自分でなくなる。そう言って映画のセリフをもらって「ありのままに生きる」と宣言した人々を何人となく見てきた。ただ人は息をするときにそこに空気があるということを、いちいち意識して呼吸をしてはいない、無意識に呼吸をしてなんだかわからない空気感をそのまま身体に取りこんでいる。いろんな言葉を発して、いろんな感情を撒き散らして、そしてその場の空気を汚して立ち去る人々が空気を読むことに疲れながら、何故人は自分を避けるのだろうか?という気持ちでどんどんど人々といることに疲れてしまう。また、初めましてからの懐への入り方が上手くて、友達の多さを自慢げに話してたりする人々の中に、それでも日々孤独を感じ、なぜか自分を理解してくれる人が少なく夜のとばりが開けない朝を迎える。


しかし無意識に空気を読むから疲れる


 普段人々は、呼吸するように無意識でその場の空気を読み、物分かりの良い人を演じる、誰かが発言するときはじっと自分の気持ちを抑え込む。誰かが何かを話してる時も、話は耳に入ってこなくても、とりあえずふむふむと笑い声で返す。めんどくさいなと思いながらも、なんとなく、その場にいることという表示を表しながら、段々と人と会うことに疲れてしまう。誰にも会わずに一人で自分のお部屋でのんびりとお茶を飲んだり、お風呂に浸かったりする事で疲れを癒している。
 あなたは空気を読みすぎるから疲れるんだよ。そういうアドバイスをもらっている人もよく見かけるが、本人は特に、空気を読んでるつもりもなく、ただただ、日々の生活の流れの中で集団行動の中に身を委ねているだけだと主張する。新しいスイーツが流行れば新しいスイーツに並び、芸能人にスキャンダルが起きればみんなと一緒に彼を非難し、どこかのチームが優勝しそうになればみんなで一緒に応援する。はて?自分はあのチームを、そもそもそのスポーツに興味なんかあったのだろうか?


嫌な匂い刺激のある匂いに敏感で

 人よりも香水の匂いに敏感で、香水の強い人を避けてしまう。化学薬品の匂いに敏感で、新車の車や新しい建物を訪問するときはちょっと胸が苦しくなる。日々苦手な空気に敏感な人はそうやって、無意識にそういう空気を避ける意識がある。
 同じように人々が集まって作り上げる、その場の空気をあえて避けてみたり、嫌いな空気感のある空間では、その空間の人々の心の窓を少し開けて換気をする、そうやってその場の空気を入れ替えてあげ、そこにいる人たちにもフレッシュな空気を吸ってもらう、そんな気遣いができる人もいる。大概は、その場での発言が少なく、それでも各々の発言にじっと耳を傾けているが、我が物顔で自己を発散して、大きな声で持論を展開する人には、その窓を開ける人には気が付きにくく、その存在をないがしろにするものだから、その場の空気を読めないと言われてしまう。


空気が澱んでると気持ちも澱んでしまう


 いつも同じところで、同じメンツ、同じ話題、いつも同じ愚痴を交わしてると、気持ちの動揺も少なく、温かい浴槽に浸かってるように、体重も感じず寒さ暑さも感じず時間が過ぎて、気がつくと手の指シワシワになってることもある。流れのない川は澱んで泥やガスが発生して魚たちも住めなくなる。淀んだ川は新しい水を絶えず注いで流れるようにしてあげないといけない。それは、新しい人々なのか、新しい環境なのか、新しい趣味なのか、新しい価値観なのか。本当は日々新しい流れがあって、新しい空気がそばを流れていて、淀んだ川が流れ始めると僕の心も晴れやかに、澄んだ流れの中で、僕の心の中にも新しい魚たちが住みはじめてくれる。元気な魚たちの泳ぎを見て僕も元気に泳ぎたくなってくる。


地球の自然環境も人々の心の環境も悪化するからこそ


 人々は疲れて、呼吸も浅く、日々の生活も辛いことの繰り返し。空気の中の不純物や微細な浮遊物が漂い、呼吸もままならない日々が繰り返される。そんな時代だからこそ、空気をよく読んで、綺麗な流れを探し、見つけ出し、導いてもらい、または誰かの手を引いて、澄んだ清々しい美味しい空気のある森の中の丘を目指してみたい。空を見上げてみれば、きっとだれかが手を差し伸べてくれているかもしれない。その手に気づけるか気づけないかはあなたの空気を読む力である。空気を読めなくなるとその手にさえ気づかずに、自分への言い訳で明け暮れる日々が永遠と繰り返されてしまう。
 きっとこれまでも様々な手を誰かが差し伸べてくれてきたに違いない、それに気づけるか気づけないか、それがその人の能力でありその人の人生の彩りであるだと、テレビの向こうの大好きなタレントさんが話していた。

まるで宗教の勧誘のようになってきたので、この辺でやめておきます(笑)



そして書き終えたところで
中島みゆきの歌「小石のように」の歌詞が頭をよぎりました

山をくだる流れにのせてまだ見ぬ景色憧れ焦がれて

川はいつか幅も広がり
石は砂に砂はよどみに
いつか青い海原へ

砂は海に海は大空に
そしていつかあの山へ


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