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WIPO国際事務局(IB)へのDASアクセスコードの通知方法について

特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を行う際に、各国の基礎出願に基づく優先権を主張する場合、優先権書類の提出を省略することができます。
これを実現するためには、世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局(IB)にデジタルアクセスサービス(DAS)を利用して優先権書類を入手するよう請求することが必要です。以下では、その手続方法を解説します。


手続の概要

PCT規則17.1(bの2)に基づき、DASを利用して優先権書類をIBに通知することで、書類提出の手間を省略することが可能です。この通知は、DASアクセスコードをIBに提供することで行います。

手続の詳細

1. 事前準備

第1ステップ:DASから優先権書類を入手可能か確認

まず、IBに取得請求する優先権書類がDAS参加国から提供されているかを確認します。最新情報はWIPO国際事務局のウェブサイトで確認可能です。

DAS利用可能な国一覧(2024年6月時点)
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バーレーン、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、日本、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国

第2ステップ:アクセスコードの付与請求
アクセスコードの付与請求は、優先権書類を提供する国(官庁)に対して行います。日本国特許庁に対するアクセスコード付与請求については「DASを利用する際に日本国特許庁に行う手続」を参照してください。

2. IBへのアクセスコードの通知

国際出願と同時に通知する場合
PCT国際出願の願書第VI欄にある優先権書類の取得請求のチェックボックスにチェックし、アクセスコードを記載します。

フォームはhttps://www.wipo.int/export/sites/www/pct/ja/docs/forms/request/ed-request.pdfより抜粋

国際出願後に通知する場合
以下のいずれかの方法で、国際公開の日前までにアクセスコードをIBに通知します
(1)ePCTアクション機能を利用する
ePCTのオンラインフォームにアクセスコードを入力するだけで通知が完了し、エラーメッセージにより誤入力を回避できます。ePCTアクション機能を利用するための事前設定が必要です。

(2)ePCTドキュメントアップロードを利用する
予め作成したPDF形式の書類をePCT上にアップロードすることで、IBに提出します。書類のカテゴリーから「一般の通信」を選択し、PDF形式のDASによる優先権書類の取得請求書類をアップロードします。

(3)郵送で通知する
国際公開の日前までにIBに届くように書簡を送付します。書簡は英語で作成し、国際出願番号と各優先権に対応するアクセスコードを記載します。

補足説明

DASは、優先権書類の電子的な交換を可能にするサービスで、手続の効率化と書類提出の負担軽減を図ることができます。特に、複数国での出願を考えている場合に便利です。

詳細な手続方法や注意点については、WIPOのウェブサイトや日本国特許庁の案内を参照することをお勧めします。また、各国の特許庁の対応状況や提供するサービスについても確認してください。

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