感謝と謙虚さの人、松下幸之助
経営の神様、松下幸之助さんは、感謝と謙虚さそのものの人だったといいます。
松下政経塾の門下生だった方から、こんなエピソードを聞いたことがあります。
塾生が悩みに悩んだあげく、松下さんの元へ相談に行きました。
そこで、こんな質問をしたそうです。
「松下さん、幸福ということがわからなくなりました。人にとっての幸福とは、どういうことなのでしょうか?」
松下さんはそれを聞いて、こう質問したそうです。
「君は、今晩、寝床はあるか?」
「はい、あります」
「君は、ご飯はちゃんと食べている?」
「はい、食べております」
「それで十分幸せではないか。多くのものを与えられていることに対して当たり前と思うから、そんなくだらない悩みを持つようになるのだ」
と怒られたそうです。
また、晩年、松下さんは体が衰弱し、松下病院で闘病生活を送っていました。
声帯がつぶれて痰が絡み苦しい状態だったので、院長が松下さんに
「痰を取るためにバキュームを入れさせていただきます。傷むでしょうが、少し辛抱してくださいね」と声をかけます。
すると、松下さんはほとんど出ない声で
「お願いするのはこちらのほうです。よろしくお願いします」
と言われたそうです。
それが、院長が聞いた、松下さん最後の言葉だったそうです。
経営の神様と呼ばれた松下幸之助さんは、感謝を忘れない人だったのです。
『成功を加速する「そうじ力」』P.193
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