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HSPの【人前で緊張して話せない】自律神経の仕組みから解説します~本の紹介

こんにちは。HSPサステナワークプログラム「そういう個と。」編集チームです。



今日はHSPさんからよく伺うお悩み、
「緊張してしゃべれない」をどうするかについて書いてみようと思います。

講座などでお会いするHSPの方は
自己紹介のときや、講師に指されるのではないかというときに
「とても緊張します」という方がたくさんいらっしゃいます。

この方達に何が起こっているのか、ということを
ひとつの可能性としてお伝えしたいと思います。

なにかの会合や懇談会などあまりにも緊張するので、
そういうものが億劫でたまらない。
みんなはうまく話せるのに、なんでだろう…

これは

自律神経がサバイブ状態に入っているから


からかもしれません。


え?自律神経がサバイブモードって?!

と思われたかたもいらっしゃるでしょう。


今日は自律神経のしくみについて書いてみます。



自律神経は交感神経と副交感神経、2つがある

ということは多くのみなさんが既にご存知のことと思います。


交感神経は緊張するほうの神経ですよね。
副交感神経はリラックスするほうの神経です。

ざっくりとはこんな感じですが

もう少し詳しく言いますと
交感神経は頑張る時

例えば、

・朝、満員電車に乗るぞ、
・今日は上司の前でのプレゼンがあるぞ、
・思い切って友達に本心を伝えるぞ

という時。

または、

・完璧にできているだろうか、穴はないだろうか、

という不安状態の時も交感神経優位の状態に入ります。

対して

・親しいお友達と2人だけでワインを飲みながら語らっている時。(これを想像しただけで身体から力が抜けてリラックスしますよね。)

・心の壁を作らなくていい人、嘘をつかなくていい人、頑張らなくていい友達との時間。

そして、人といるときだけではなく

・一人で自分の好きなケーキを買って家で食べている時

とか、

そういう時も副交感神経のモードに入ります。

大雑把なくくりとしては行動抑制モードです。
温存モードともいいます。


副交感神経は、神経学的にいうと

カラダの動きを止めて体力を温存していく方面なのです。

さらに

副交感神経のモードはいろんなパターンがあるのです。

リラックスしている時もありますが

動きを極度に止めるという働きもあります。(前述の温存モードの極端版)


交感神経がずっと緊張している状態
(「戦う・逃げる」モードといいますが)で

生き物として危険を感じて、

「これは何とかしなければ」とか
「戦わなければ!」「逃げなければ!」

というのがずっと続いている時、

例えば、ホラー映画見てしまったときとか、
瞳孔が開いて心臓がバクバクする

というようなことが起こりませんか?

これが交感神経のモードなのです。

カラダが自分を逃げさせようとしている時って
たくさんの酸素が必要ですよね。

呼吸が小刻みになり
心臓をいっぱい動かして酸素をカラダ中に送り込みます。

そして、注意深くいろんなことを見るために瞳孔が開くのです。

これは「戦う・逃げる」モードに入る状態です。


現代社会を考えてみると
緊張するというモードがとても多いですね。

わたしたちは小学校に入ってからず~っと
「がんばれがんばれ!」って言われてきました。

みなの前で頑張って発表する、手を挙げる、ということが

良い!!

とされてきました。

そして、

体調がよくても悪くても 人にやさしくすること。
それは当たり前だよね、

ってずっと言われてきました。


係活動をするとか積極的に部活動に参加するとか

がんばって何かする!という

これらは全部、交感神経モードなのです。

「あなたはあなたのままでいいよ、なにもしなくてもいいよ」

とは、言われてきませんでしたよね。

どんな状態であってもコンスタントに頑張ることを
わたしたちは学生時代から求められてきました。


その後、受験戦争を通り抜け、新卒、就職という流れで、つつがなく過不足なく

ずっと成果をだしながら会社にいる。

新しい物事にチャレンジし

新しい契約をとる、新しいプロジェクトに挑戦する、

いつもヒリヒリした状態におかれていてずっと緊張しています。




緊張している状態がずっと続くとどうなる?

緊張している状態がずっと続くと
カラダは「あれ?おかしいぞ。
この人ずっと交感神経側にいる」と気づくのです。

あまりにも長くそれが続くと

神経が耐性領域から振り切れてしまう!
「これ以上は無理だよ、動きを止めないと!(そして身体を温存しないと)」と
カラダはバタンとブレーカーを落とします。


先ほどの温存モードの極端なもの、シャットダウンの状態です。

これが、鬱などの動けない状態であることが多いようです。

厚生労働省の分類では、
鬱というのは気分障害という名前の分類になっています。
(この言葉は変えて欲しいと常々思っているのですが、、、)


その人の気分なんだよね、
立ち上がれば立ち上がれるのに根性足りない人なんだよね、というような
そんなニュアンスを感じます。

でもそうではないのですよね。


自律神経というのは肺を動かしたり、消化液を出したり

免疫活動を高めたり、命をキープしている、そういう神経です。

だから眠っても止まりません。

肺や心臓は交感神経・副交感神経と連動していますから

ずっと交感神経側にいるときは
ずっと危険(サバイブ)モードにいると認識しています。

頭(脳)はさほど緊張していると認識していなくても

カラダはいつも何かに備えて緊張した状態、
すぐにでも走りだせる状態になっているということなんです。

ですので、

「まぁ、なんとかなるな」
というホッとした瞬間が少なすぎると
バタンとシャットダウンに落ちてしまう。







緊張しすぎてしゃべれないというのは…

冒頭の緊張しすぎてしゃべれないというのは

交感神経側にいて
軽いフリーズを起こしている状態なので
緊張をといていく必要があります。

HSPさんはとにかくまじめで、
誠実に仕事をするということが評価されている方が
たくさんいらっしゃいます。

多くの非HSPさん側から
HSPさんの仕事は安心して任せられる・評価できる
といったことをききます。

けれども、

「まぁいいや」と思う瞬間、
それほど考えていない瞬間を織り交ぜながら仕事の中にいる、
という状態でないと振り切れてブレーカーが落ちてしまう

そして動けなくなってしまう、

そういう可能性があります。

冒頭の

「緊張して話せない」

という状態は

ずっと交感神経側にふれているという状態なのです。

これを副交感神経側、リラックスまたは温存モードにスイッチを変えていく
必要があるということです。

心から安心する

というモードに入るのが良いんです。




わたしも20代のころ、この凍り付きをよく起こしていました。

でも今では5000人でも1万人の前でも多分変わりなくお話できます。

では、なぜそうなったか、というと

それはひと言でいうと

人生に対する安心感

外界やヒトに対する安心の感覚

これを持てるようになったこと。がその答えです。

もっというと

ダメで限界ある私を受け入れた

のです。

人生全部のことはできない。
できることはちょっと、だ。

それを心の底からわかったし、
それでいいと思えたってことでしょうか。




「人生に対して安心感がもてない」というのは


どういうことでしょう?

わたしたちは今、内戦や戦争の起きていない日本に住んでいます。

爆弾が落ちてきたり

戦車が家につっこんできたり

強盗が家にはいってきたりしません。

けれども感受性の高いHSPさん達は
爆弾が降ってくるという本当の命の危険ではなくても
自分が生きていることに対して葛藤を抱える状態に陥りやすい。

これは親との関係性の上でも起こります。

親がいつでも「そのままでいいよ」という態度では接してくれなかった、

例えば、

「あなたはこんなところがダメだ」「こういうことができてないじゃない」
ということを言い続けられる、とか ずっと責められるとか。

親も事情があったのでしょうけれど、

それでも、そういう場合は
子どもの心の安全を脅かすのです。

実は、副交感神経の中のヒトとのつながりの感覚(腹側迷走神経)が健全に育っていないと安心の感覚が育たないんです。

腹側迷走神経が育つためには

子どもが失敗したときやケガをしたときに


「大丈夫よ!すぐ立ちなさいよ!!👊」

みたいに言わないで

「大丈夫?痛かったね? 絆創膏はっとこう。痛いの痛いのとんでけ~!」

と、親が安心させてくれる、

そのモードを何回も何回も繰り返す必要があるのです。

親自身がいつもヒリヒリしていて

上の世代のおじいちゃんおばあちゃんから
「あなたはダメだ」「生きてる価値がない」などと言われていたら、
親も子どもに優しくすることはできないですよね。

これを世代間連鎖といいいます。


親、限定ではなく、社会や学校が安心の場でなかった場合もそうです。

学校や社会でいつも腫物に扱うようにされていたとか
邪魔者のように扱われたとか

いたたまれない話ですが
HSPのなかには鋭いことを発言して先生からいじめられたという人も

結構いらっしゃいます。


先生は教え導くだけじゃなくて、
世界は安全なところで安心のもと生きていく

ということを本当は教えてくれないとですよね。

でも不安に陥ってしまった、そういうHSPさんがとても多いです。

そうやって、育った環境(外界)に安心をもらえなかったというかたは

緊張やシャットダウンに陥りやすいという癖を持っています。

それは、心が、ではなくて身体が、なんですね。

ですので、




身体に安心の感覚をインプットしていく
~おすすめ本のご紹介~





ということが必要になってきます。

もちろん、言葉や心で安心するということも必要なのですけれど

身体にインプットしていくということが可能なんですよね。

わたしが本当に尊敬していてたくさんのことを学ばせていただいている神経セラピストの浅井咲子先生というかたがいらっしゃいます。

ポリヴェーガル理論という神経理論の権威でいらっしゃいます。

とってもきれいでかわいいお茶目な先生です。

浅井先生のご著書


この本には 身体側から安心へのスイッチを入れる簡単な日常で使える方法が47個も載っています。

神経のことというのは身体からのスイッチが効くんです。

例えば、親との関係を解消するのに

親とのこれまでのことを思い出すというような辛いことをしなくても、

こういう動作をしましょう
こういうことを日常でやってみてください

ということを習慣にしていくことが大事です。

1回ではもちろんスイッチは入りません。


朝の例えばは歯磨きのときとか

お風呂に入ったあととか

習慣にしていただきたいなと思います。

それも47個全部やる必要はありません。

浅井先生もおっしゃっていますが気に入ったものから始める、
そういった気楽さが必要です。


緊張がとれない方や

人前でフリーズしてしまう癖が抜けない方は
ぜひお手にとってみてください。


もうひとつボディワーカーで敬愛する藤本靖さんが上梓された、



こちらは自己調整力を取り戻せる「感じる力」の訓練で

ものすごく効果があります。

キンドルでも読めます。

藤本靖さんの本は身体の自律神経調整のスイッチを確実に押せるようになっています。


ぜひぜひお試しくださいね!