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作詞家はアイコン画像が思い浮かばない!(エンディング分岐有)

・はじめに

作詞家や文筆業をしています、souffle(スフレ)と申します。
歌詞を書く時にはだいたい曲が先にあるのですが、制作過程では言葉が思いつかず悶え苦しんだり、調べながらどうしようどうしようと焦りのたうち回ったり、とりあえず書き出してみた言葉達でノートを真っ黒にして採用したい単語を見失ったり、「色々言いたいことはあるけどここは四文字以内で収めなければ…」と力技で押し込んだりして、なおかつ、「今回もさらっと書けましたよ!^^」といった涼し気な顔で作曲者さんに提出したりしています。
とはいえ私の作品は短編を主としていますので、何度も見直し手直しはするにせよ、ゴールテープまでのスパンは比較的短いです。このテープを切る感覚、気分が晴れてやみつきになって、この感覚を味わうために頑張って続けようと、アイデアを捻って頑張っているところもあります。
ところが、実はこのnoteやTwitter等で使用しているアイコン画像についてはとんと何も思いつかず悩み続けております。

ところで、である体とですます体のどちらで書くか悩んで、どうしようかな。
折衷案で、「はじめに」と「おわりに」の見出し内ではですます体、その他はである体にしようかなと思います。

・経緯と現状

ここから、である体で。
現アイコンは友人に依頼し描いて頂いた「春歌ナナ」という音声合成ツールのキャラクターである。(とても大雑把にまとめれば"初音ミク"と同系統の音源だ。これらのソフトを作曲ソフトに組み込み、音符と平仮名を打ち込めば入力した通りに歌ってくれる。打ち込み作曲者の「ボーカリストがいない!呼べない!」という悩みを解決できる。便利)
この春歌ナナにまつわるエピソードだが、私が同人音楽界に飛び込みたての時分、ナナ歌唱曲を担当するご縁に恵まれた。動画がアップされた時も好評で(新人だったため、とてもとても)嬉しかったが、さらに、その歌唱曲に新曲を書き下ろし、商業CDに収録される運びとなった。担当作が収録された円盤がアニメショップの棚に並ぶこと、そして初めての商業案件をくれた、大変有り難くも想い出深いキャラクターなのである。

案件が終わる度に作曲者さんと別れてしまうのは寂しいと思い、Twitterを開設した。そして、暖かな絵を描く友人にアイコン制作を依頼した。
当時は Twitterも現在ほどメジャーなツールではなく、アイコンは四角でいいねは星マークだった。懐かしい。当時はまだ今ほど拓かれていなかったネットの海に恐怖しており、無断転載を恐れてアイコンに自分のIDを付すように頼んだのを覚えている。それにアイコンにID書いてあるって何となく垢抜けてこなれてる感もあるし…なんて、虎の威的な理由もあった。また、思い出深い春歌ナナに加え、単純にミーハーにキャラとして好きなKAITOのデザインのアイコンも頼んだ(こちらはAudiostockのアイコン画像に設定している)
ナナを選んだ主な理由は、元気が出るようなビジュアルも勿論の事、ナナがくれた経験を忘れないようにという初心の象徴だった。ただ、たまに「アイコンを変えようかなあ」という欲が出るものの、一体何をどうすれば良いのか思い浮かばないのだ。

・葛藤①被りたくなく

アイコンを変更するにあたり、選択肢は無数にある。

色、形、光、文字、動物、植物、お菓子、音楽道具、文房具(執筆道具)、雑貨、風景、自撮り、自画像、自分のモチーフ、モデルさん、宝物、謎かけのようなもの…ちなみに、名義にしているスフレというお菓子は可愛いと思うけれども特に愛着はなく、たくさん食べると胃にきてしまう。ナナの方が愛着があるかもしれない…。
この中では作詞・文筆業どちらにおいても使用する文房具(執筆道具)が説得力がありそうだ。noteには便利な下書き機能があるからもうインクや芯で書くことは少なくなってしまったけれど。歌詞に関してはボールペンを使って書く自分ルールがあって、ボールペンにもこだわりはなくその時手近にあったもので書いているけれど。そして、好きな作家さんの「ノートは毎回捨てる」というやり方に感銘を受けて紙ノートは捨ててしまっているけれど…。うーん???何だかパンチが弱い…。
そしてもしもアイコンを変えたとして、似たような構図、色のものがフリー素材で配られていたり、誰かが使っていたら、見つけてしまった時に気まずい。被りたくない。想像で胃が痛い。しかもあれだけ思い出深いナナから(自分にとっては)大々的に変更しておいて…。そう想像すると自信が減り、躊躇いを覚えるのだ。

・葛藤②邪魔になりたくなく

アイコン変更を躊躇う要因は他にもある。
楽曲であれ文であれ、聴き手さんや受け手さんが私の関わる作品に触れてくれる時、想像に息づく世界の中にに私のアイコンがよぎる必要は一切ない。HNのスフレのカタカナのスとフとレ、各文字に45度の角度が入っているのはお気に入りだけど、名前の文字をアイコンにばばーんと出すのも何だかしっくりこない。とにかく邪魔になりたくないのだ

綺麗なお花や雑貨の画像、ご自身の写真をアイコンにされている作家さんはたくさんいらっしゃるし、綺麗だなあとしばし見とれる。私自身も完全顔出しNGというミステリアスなスタンスでもなく、M3などの販売イベントでご挨拶する際は一人参加で対面でお会いしてご挨拶したりする。本当はアイコンごとき、自分の顔や趣味のものにしたところでそうそう影響は出ないのではとも思っている。
ただ、今のところは当初の予定通り、やっぱり作者は作品よりも一歩下がることを選びたいと思っている。様々なお仕事やクリエイターさんやご感想に出会いたいから、自分の言葉が動画などの形になったら自分の名前とリンクは載せて頂くよう関係者の方々にはしつこいくらいにお願いしているけれど(いつもありがとうございます)作家が作品より下がるための画像…?うーん、大喜利みたいだ…とさらに迷うのである。

・葛藤③エピソードが無く

最終葛藤。動機が欲しい。アイコンを変更するに至る、足る、強い強い動機となるエピソードが欲しい。”たまに「アイコンを変えようかなあ」という欲が出る"などとまったり上述しておいてこの言い草なのだが、音楽に意味を込めて言葉をはめて作詞していくように、アイコンを変える時にも意図をこめられないだろうかという思考が生まれてしまうのだ。
この例に限らず、創作物が増えるにつれ、なんだかまるで創作するように生活している気がする。Bメロからサビに行くのなら、あるいはサビからCメロに行くのなら、きっかけやキメが欲しい。でも、例えば不祥事とかはいやだなあ、それこそ作品の邪魔になってしまう。
あれ、でも。
ここで作詞家は思う。
特別なエピソードが起こらないなら、それは安らぎと呼べる状態なのでは?

・青い鳥の安らぎを(=HAPPY ENDING)

そして、現アイコンに返る。ただいま戻りました。
現状維持というのは少し物足りない気もするけれど。作家生活の上で何よりも見慣れた、指先サイズの、アイコンという我が家。
このループを、気持ちの行き来を、もう5年くらいは繰り返している。アイコンって、腐ったりほつれたり錆びたりしなくて良かった。自分は物持ちがいいなとほっこりして、そうこうしているうちに何か書きたくなったりご依頼を頂いたりして、まあ私は文筆業者なのだからアイコンのことは後で良いやと思ってまた書き始める。
そして産みの苦しみ、辛さ、どうしようどう書こうーと唸りながら制作をする中で、ツイッターやnoteのアイコンのナナを見かけて、あの時は楽しかったなあ、自分も実績を出したんだ、それなら今回だってきっとゴールテープを切れるさ、と眩しさをチャージして、作業に戻る。どこかにある遠い励ましや夢や希望よりも、この心身から消えない実績の方が自分には励みになる。
そして、ああ、そうか、これで、ささやかだけど。

目的達成できてるじゃないか。
初心に帰れているじゃないか。

昔取った杵柄という言葉もあるけれど、昔取った杵柄に想いを馳せているのは今の自分だ。昔の頑張りに刺激されて、今の自分が立ち上がって、またクールな振りで作品提出できるのである。
作家人生という時間芸術の中で、作詞と文章を書き始め、作曲も初めてみた。そんなたまに変化球な活動の中で、悩みに溺れて原点を見つけて初心に帰る。同じ動き。安心させてくれる動き。
それはまるで、Aメロが変形したりCメロが挿入されても繰り返し立ち返る、サビのフレーズのようだ。

・そして青い鳥の群れ(=GRAND ENDING)

という上記結論で締め、終わるつもりだった。この見出しは存在しない筈だった。しかし、執筆途中でまさかのアイコン案が閃いたため、急遽エンディングを増設した。え、マジ?

結論から言えば、他の音声合成ソフトキャラのイラストにすれば?というものだ。これならクリアできるのだ。春歌ナナとKAITOの系譜に連なり、イメージを大きく変えることもなく、動機というほどの重みもない、気軽に続けて、積み上げて、着替えられるのだ。

そういえば、コンペ活動が実った当初は初音ミクや鏡音リン・レンの曲を担当する事が多かった。当時なかなか縁がなかった「巡音ルカの曲を担当したいなあ」と思っていた。だから多分、この真の結論には辿り着けなかっただろう。
でも、今、振り返ってみればルカ、結月ゆかりIAさとうささらetcetc…沢山の音源キャラクター達が、自分の歌詞担当曲プレイリストに集合している。このプレイリストに載せているのはネットで無料公開の音楽作品群だけど、コミケやM3といったCD媒体ではさらに多くの音源が歌ってくれている(勿論、これらの音源はひとつとして私の所有音源ではない。私の言葉を使って下さって、ありがとうございます)。
初音ミク系譜の最新作、「VOCALOID5」のパッケージにはミクのようなキャラクターは描かれていない。製品のバージョンに依り4~8人分の歌声=オーディオバンクを搭載し、予め用意されたボイス素材をDTM画面に貼り付けることもできるという。キャラクター産業から機能性へと重心を変え裾野を広げるボカロソフトに時代の流れを感じたけれど、作曲を始めた身としては嬉しいことだし、一ソフトとして気になっている。
それに、初音ミクや仲間達のキャラ物コンテンツが消えるわけではない。ミク達を中心として展開される「マジカルミライ2020(リアルイベント)」「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク(ソーシャルゲーム)」の開催・配信も予定されている。
話をアイコンに戻すと、つまりは「昔の杵柄が気になるなら、同ブランドの違う杵柄を買えば?」という新たな着地点を見つけたのであった。多分、閃いていないアイデアは、それでいて初心に寄り添ってくれるアイデアは、まだ、ある。

・おわりに

ですます体に戻ります。
noteに書く時は少しでも楽しく書こうと何か軽く目標を立てて書くようにしているのですが、今回の目標は「ラノベ風タイトルにしたいなあ」、そして執筆中に問題への解決策が閃いたため、ゲームのようにノーマルエンディングとグランドエンディングに分けしました。サブカルちっくな楽しい仕上がりになったと思います。
この題名を付した以上どうしても多量の自分語りや周辺の用語等を交えた記事になってしまいましたが、沢山リンクも貼付致しましたので、音楽の世界との楽しい出会いが生まれるといいなあと思っております。

そして、一番のきっかけ。
この記事は、「キナリ杯」応募を目的として筆を執りました。
関係者の皆様、素晴らしい機会を下さりありがとうございました。ひとりしか選ばれない厳しい作詞コンペに参加する身なので、賞が多い企画にはほっとした気持ちで参加できますし、お祭りのようでわくわくします。今後もこのような賑やかな催しがあるといいなと思います。
企画の成功を、心より応援しております。

それでは!

お気に召しましたら是非お願いします! 美味しい飲み物など購入して、また執筆したいと思います ( ˙︶˙ )