【✏】えんぴつ堂#536~#573
使用の手引き… https://note.com/souffle_lyric/n/n0ba1320f658a
ごゆっくりどうぞ!
【536】
【✏️】
仲間に入れて、
がうまく言えない日は
知識の繭の館に向かおう
誰もが
静寂にひざまずく場所
自分同様
無言を愛したい気分の人々
果てのない先人の思考が
小刻みに陳列する書架
取り出され、目と文字が語り合う
少しも孤独なところじゃない
栞をはさむ賑やかな場所
【537】
【✏️】
喜怒哀楽中、いつ何時でも
ぼくらの瞳は瞬いていて
「生きてますよ」という心臓の鼓動を
瞼が表現しているみたいだ
語り合おう
くだらない話を
真面目なあの用件を
瞬きながら
生きてるよって
お互いに瞬きながら
【538】
【✏️】
予報にない雨が降ったから
あなたとカフェに入れました
ブラックを頼んだはずなのに
苦味はとろけて夢心地
水滴に濡れた匂いのふたり
もっとたくさん話がしたい
雨雨降れ降れ
甘々ふれふれ
【539】
【✏️】
私を分かってくれてそうで
案外分かってくれてなくて
って、今私期待しすぎてた?
悪い癖が出ちゃったかも
そんな事まで
言葉もなしに
いつも何となく教えてくれる
ねえ、いつなら空いてる?
一緒にどこかへ行こうよ
もっともっと
理解しあって帰ってくる
【540】
【✏️】
じんわりと触れ合う花弁
温かそうで希望が持てるの
人と人の間にも淡い温みを
寂しくないほどに
重ねることができるんじゃないかって
【541】
【✏️】
淋しい人が
手で狐のカタチを作った
仲間は増えて
ふたり、さんびき
ほら…じゃれ合いはじめる
コン、と鳴く影絵が重なる
寄り添う黒い狐の群れ達
Congratulations
今日は皆で
稲荷寿司を食べにいこうか
【542】
【✏️】
これは愛だ
君からの愛だ、と感じた瞬間
胸の中に降り出した光
流星群じゃなくていいよ
ひとすじが嬉しいんだ
ぼくもいつかは
君の内側に
素敵と呼べる光を
ありがとうを添えたひとすじを
【543】
【✏️】
君のチャームポイントはとても
ワンポイントじゃ足りやしない
艶っぽい、子どもっぽい
両方混ざっているっぽい
可愛く強く優しく映える
ポイント高な高嶺の花
タンジェントポイント持ちたくて必死だ
ウィークポイント探して必死だ
【544】
【✏️】
無防備な耳元に
近づいて
甘ったるさ100%で
チョコレートを食べさせるように
伝えてみたいの
“LOVE”
トラブったみたいに
固まったきみを残してウィンク
舌を出して逃げてしまおう
追いついてきてね MY LOVER
【545】
【✏️】
さて、夜風が気持ちいいね
さてと、ぼくたちという星を
お互いに持って帰ろう
通い慣れたコンビニで
ビールを買って
乾杯すれば
星々を照らし返せるのかも
指を絡めて
意味の無い夜の世界で
馬鹿馬鹿しいこの世の中で
寄り添う時間をやめたくはなかった
【546】
【✏️】
はねっかえりだったワタシも
やがてスーツなんて着て
何となく私になりました
迷った時には
曖昧なわたしになったりして
それでも
一番底の意思は変わらない
イシの頃から変わらない
だからね きっと
私はワタシなんだよね
これからも変わらずに
【547】
【✏️】
分けあったお菓子
交わし合う言葉
ささやかなおしゃべりの夜
きみの新情報も発覚
お茶の匂い
笑う時の癖
部屋着のふたり
こんなにもリラックスしてる
幸せだなあ
スマホと記憶に今を残す
ありがとう
こんな日常こそがきっと
非日常を頑張るときの
負けない力になったりもする
【548】
【✏️】
「守ってあげる」って言えるのは
あの日きみが守ってくれたから
存在してるだけで
息をしてるだけで
互いのお守りのような二人になれるよ
魔物や怪物はいなくても
世界の残酷から守りたい
大丈夫のコトバ、笑顔、記憶
優しい魔法がたくさんあるんだ
【549】
【✏️】
秋の味覚は要りません
ぽっこりお山は間に合ってます
薦めてくるなら抗います
ほんとは美味しいって知ってる
スイートポテトに包まれたい
お月見メニューにとろけたい
ビールだって合わせたい
だけどでもでも抵抗します
ダイエット中なんだから!
【550】
【✏️】
しいてゆうなら
吸い込まれるの
引力
惹かれているの
体全部で振り向いてしまうの
恋の前段階だよって
友達は笑った
そうなの?わからない
しいてゆうなら
もっと会いたい
【551】
【✏️】
魂は君の傍に
肉体は君の隣で
ひそやかに守り続けましょう
小さな小さなあるじ様
花を摘んでは駆け寄ってくる
その笑顔が雲らぬように
いつか君のかたわらに
君が心に決めた人が
並んだとしても
その日までは
その日までは
特別な感情など
【552】
【✏️】
ちょっぴり意地悪な秋風に
出会い頭に
惑わされすぎないで
記憶の欠片を手渡したら
哀愁を混ぜられて
センチメンタルになってしまうよ
ストールを巻いて
暖色を探してみようか
やがて秋風をそっと纏えれば
共に季節を越える友となる
【553】
【✏️】
雲が集まりできた海は
何を隠しているのだろう
きっとまだ知らないこと
めくるめくお宝か
誰かの恋物語か
虹の橋への入口か
いつか飛べるようになったら
ふわり出かけるから
扉の雲を開けて
かき分けて進むから
それまで待っていて、空にある海
【554】
【✏️】
一対一のメッセージ画面
あなたへの文面
打ち込むだけで
意識して
溶けてしまう
溶けてしまう
文字って形で定着させても
とろけてとろけて画面の向こう
あなたの指を濡らしちゃいそう
溶けてしまう
溶けてしまうよ
【555】
【✏️】
僕は詩人
君はとっておきの人
いくつも空想を詩うけれど
君のことはまだ照れて詩えない
もっともっと上手くなったら
僕の世界に招き入れていいかな
空中で両手を繋ぐように
だからまだなんだ
僕の詩う空に、まだ君はいない
【556】
【✏️】
そんなこと
段ボール箱に入れて
ガムテープして
僕らのロケットで打ち上げてしまおう
遥か遠くで
視認もできない星にしてしまおう
そんなこと
抱え込んでなくていいよ
実はすごく小さなこと
君がどうってわけじゃないよ
誰のせいでもない百等星
【557】
【✏️】
あの日、初めて
手の中のゲームで買ったアイテム
実際では斬れないけれど
魔力だって宿ってないけど
スマホの中で
燦然と輝いてる
嬉しさが湧く
仮想が現実とクロスして
強化、回復していくよう
自分の力で選びとった
誇らしい僕のアイテム
【558】
【✏️】
下弦の月のその元で
あなたに恋してしまいました
射抜かれながら、おまじないを
そっと唱え始めました
紙、砂、糸、切なさ
自分の体を抱きしめて
どうか、と。
様々な片想いが
世界中の恋願いが
実りますように
片側だけの月よ照らして
【559】
【✏️】
詩なんてお腹も膨れないし
無力で
役に立たないと思ってた
だけど
疲れ果てて倒れたあの日
パンに手を伸ばす力をくれたのは
君の言葉だったんだ
もう少し
生きてみようと思う手助け
それはきっと…まぎれもなく
君がくれた詩だったんだ
【560】
【✏️】
「ありがとう」という言葉に
「さようなら」を込めたり
「きらいです」を混ぜたり
「もういらない」を匂わせたり
それは罪ではないけれど
心の喉が乾いてきて
果汁100%の「ありがとう」を
そろそろ飲みたくなってきたんだ
【561】
【✏️】
人間って服を脱ぎ捨てて
獣のように丸まりたいとき
安らぎたい場所はひとつだけ
あなたの胸に額をつけて
目を閉じたいの
腕の中に閉じ込めあって
力が抜けて
意識が優しく散りおちていく
満足するまであたためあいたい
かたわらで すべてを
【562】
【✏️】
あれを頑張ったらチキンを買おう
それをやりきったら高級おにぎり
オリジナルスイーツ
節約理性はオンオフ、オフオン
たまには通うのやめて
思い出にする…努力
でも結局現在進行形
新作コラボなんて求めて
また自動ドア開けちゃうのです。
【563】
【✏️】
覆う雲を切り裂き
気持ちよく朝が疾るような
空のキャンバスには
希望があった
太陽すら眼下の配置で
あそこまで翔んでみたくなる
ねえ、一緒に見に行かない?
こんなに明るい空は久しぶりで
夢を見失いかけてた僕らだから
【564】
【✏️】
冷たい「頑張れ」は言いたくなかった
判で押した励ましじゃなくて
その体を引き寄せて
背中を柔らかく叩きながら
がんばれ…がんばれ
特注の声を
注ぎ込むように囁いた
大丈夫、できるはずだよ
疲れたらここに帰っておいで
舞い踊るように、頑張ろう
【565】
【✏️】
あなたが口ずさむ鼻歌は
オリジナルを軽々と超えて
一番聞いてたいカバーソング
もっと近くで耳澄ませたい
硬くて少し控えめな声
どんな気分なの?
嬉しい事があった?
録音させて、なんて言えないけど
もう少し聞いていたい
あなたの声が奏でるメロディー
【566】
【✏️】
悔やんでも
悔やみきれずに
毎日が
心痛んで
そんな僕らで寄り集まろう
夜になったらあかりを灯そう
その時が来るまで
せめて大丈夫って唱えよう
悔しさを悔やみを絆にして
【567】
【✏️】
あの日を組み重ねて
積み上げて
今があって
アルバムに貼り忘れた日も
スマホのバッテリー切れた日も
地球には記憶されてる
僕の胸も覚えているよ
あの日をこの日に更新したいから
また
二人で笑おう
写真を撮ろう
またこの道で
驚くような奇跡を見よう
【568】
【✏️】
切なく物悲しい秋の
改札前が待ち合わせ場所
サークル仲間がひとり、またひとり
軽めの長袖で集まってくる
元気?まあまあ
課題やばい とか
集まり交わし合う言葉
ひとりひとりが花弁になって
誰の頬も仄かに染まって
改札に
秋の桜を咲かせました
【569】
【✏️】
人差し指を唇の前
そっと立てる君の姿
見とれてしまいながらも
こくりと頷く
足跡残さず二人で潜入
魔物接近、息を潜めて
お宝部屋ではお静かに
【570】
【✏️】
星なき夜に書いていた恋文
ポタリ
あまりの感情に
濡れた便箋
溢れる 溢れる気持ち
滲んでゆく涙
慕わしくて 愛おしくて
恥ずかしいけれど
許されるなら
このまま渡したい
どの言葉より雄弁な滴
【571】
【✏️】
行く?行かない?
戻る?戻らない?
まるで
ファンシーキーホルダーのように
ゆらゆら揺れてるの
人生の岐路が
大人になると
ひとつひとつの決断が重くなって
嫌ね
後悔ゼロとはいかなくても
もう少し揺れていて
私なりに見定められる時まで
【572】
【✏️】
こんなにも地球に人間がいるのに
誰一人
思うままに雨を降らせる事はできない
小さな奇蹟を今日も僕らは
傘を差して跳ね返している
【573】
【✏️】
スケジュール帳を見るまでもなく
明日は私のバースデイ
意識しちゃってる自分がいる
定番の
知らない振りをしようかな
それとも
お祝いしてって言ってもいい?
誰が気づいてくれるだろう
何か貰えたりするのかな
ちょっとだけヨコシマな思い
明日は私の