小説『人間きょうふ症』19

 テスト開始の合図で鉛筆を持った。今時、ほとんどの人はシャープペンシルを使う。でも私はテストの時だけ、常に鉛筆を使う。そっちの方が集中しやすく、持ちごたえがあると思うから。
 最初は現代文なので、少しは抵抗を感じている。それでも、前回のテストで満点を取ったことで、ある程度の知識はあると実感ができていた。なので、気分に圧迫されることはなかった。全て時間配分に気をつけながら、流暢に問題を解いていった。
 「やめ。鉛筆を置いて」
 私は鉛筆を置くと同時に息を吐いた。
 「...つかれたー」
 「お疲れさま。次は古典ね。でもその前に15分くらい休憩してください。」
 「久しぶりのテストって案外疲れますね。」
 「それは集中力がいるからね。今日はあと4つあるので、頑張りましょう。」
 「はい。頑張って集中します。」
 そう言って机の上にダラっと体を乗せ、休息した。
 テストが再び再開すると、現代文のように問題を注意して読み、回答をスラスラと書いていく作業を続ける。そして終わると、上半身を机の上へ寝そべる。そのようにして今日はテストに挑んだ。
 下校時には、疲れてヘトヘトになっていた。

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