小説『人間きょうふ症』18

 帰宅し、三日くらいは勉強に励んだ。家での学習は意欲が低下するため、カフェや図書館で長時間集中して問題集をひたすら解いた。
 そしてテスト当日、脈拍が多少リズムを崩しながらも学校の例の少人数教室に行く。先生はしばらくして来た。
 「おはよう。少し疲れがみえるけどきちんと眠れた?」
 「そこまで寝ていませんね。大体3時間くらい、だったと思います。」
 「結構短いね。普段はどれくらい?」
 「多分4、5時間くらいだと思います。やることがあるので。」
 「意外と短いね。それで大丈夫なのであれば良いとは思います」
 先生はなにか言いたそうな顔をしていた。おそらく睡眠時間を削ってまで、家で何しているのか、だと思う。でも口には出さなかった。これはきっとわざと聞かなかったのだろう。
 「では、テストやりますか。」
 「はい。お願いします。」
 「順番は現代文、数学、日本史、地学、コミュニケーション英語です。テスト時間は30分で、間の休憩は約15分間にしましょう。何か質問とかはありますか?」
 首を横に振って返事した。
 「わかりました。では、始め。」

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