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白球

中学1年生の春。

僕らは夢と希望に満ち溢れて、
広島県でもトップクラスのクラブチームに
第10期生として入団した。

メンバーはとても個性豊かな奴ばかり。

とても楽しい3年間だったよ。

最終的には、


1,最速135キロの右腕、そして主将

2,左のパワースラッガー

3,変幻自在の技巧派右腕

4,勝負強いハードパンチャー

5,しなやかな動きの守備の名手

6,ここぞ!で抑える技巧派クローザー

7,ガッツで塁もアウトももぎ取る俊足外野手


なんて言われてもおかしくないくらいに
最初の頃を思えば僕らは成長できた。



でも僕らは先輩や後輩の期に比べたら
とてもじゃないけど酷い扱いを受けた。

戦績も僕らは弱かった訳じゃない。

全国は逃したが、
中国大会の決勝までコマを進めている。


でも僕達は監督から


“最悪の期”


とまで言われた。


意外と卒団時にはそう言われながらも
労われそうだが…


僕達にそんなのはないよ。

最後の試合まで罵られ続けた。
卒団式も先輩達に比べたら熱量なし。
テキトーにそれっぽい言葉だけ並べて、
後輩の親達と来年の話ばっかしてたよ。


叱責、理不尽、体罰、贔屓…
正直色々された。

今思えばその指導には

多分愛はない。

僕達が気に入らなかったんだろう。
先輩や後輩がやって怒られなかった事を
僕達はめちゃくちゃ怒られた。


限度を超えてた。


腹も立った。
今でもアイツは嫌いだ。



でも、


あなたのおかげで成長できた部分もある。
反面教師として沢山教えてくれた。

たとえそこに愛情はなくても。

ありがとうございます。
監督さん。






でも嫌いです。






今回は僕達が実際にやられて来た事を話すよ。
でも僕達は何されても一緒に走り切った。

中には耐えきれず辞めた人もいる。

その子達の想いも背負って
僕らは最後まで走った。

残った僕ら7人のクラブチーム時代。



もしかしたらこれを読んでくれてる人は
スポーツ経験があるかもしれない。

スポーツに打ち込んでた時期が
あるかもしれない。

だからイメージしやすいかな?

今回は野球という形になるけど、
どのスポーツでも頑張る気持ちは
みんな同じだと僕は思ってる。


その時、あなたはサポートする立場で
どうあるべきか?

将来仕事で、
もしくは自分の子供がスポーツに
関わるかもしれない。



色々自分でも考えながら読んでほしい。


じゃ、いくよ。


みんな色々されたんだけど
やられた数は僕が1番多いからさ笑

僕を例にあげて今から話すね。



まず、手始めに。



僕は何やっても怒られた。

これが日常ね。

ミスするともちろん大激怒。

ヒット打っても
ホームラン打っても
ファインプレーしても
必死にセーフもぎ取っても

いや、当たり前じゃん。
それくらいできて


って感じ。

褒められた事はないよ。


そのくせ後輩はイージーなショートゴロ捌いて
めちゃくちゃ褒められてたよ。

僕がホームラン打って
相手が打ったフェンス際のホームランボールを
体ぶつけながら捕った試合で。

ふざけるな。





ある試合。


僕の打順の前が後輩だった。
後輩は左打ち。
外の真っ直ぐを引っ掛けてファーストゴロ。

監督は…

ごめん、監督って呼ぶのも腹立つから
アイツって言わせて笑

アイツは
「外の真っ直ぐは捨てろ。
 内を狙え。変化球は打ちごろだ」

攻撃開始のミーティングでそう言った。
だからその後輩はベンチ戻った時に
なんか言われてたよ。

まぁ、そうか。
指示と違うことしたもんな。


次は僕の打席。
僕も左打ち。

相手は相変わらず外ばっかり突いてくる。
「くさい所ばっか突いてくるんだよなー」
なんて思いながらも

カウントは2-2。

相手はやっと内に投げた。
しかも変化球。

「しめた!」

ただボールは内角低めで少し厳しかった。
空振りは避けたかったから何とか当てた。

結果はファーストゴロ。

「ちくしょー、次かなぁ。
 まぁ、指示通りには動いたからな…」

ベンチに戻ると


「おどりゃお前、何しょんならぁ!」


1発。

2発。

3発。

4発。


思いっきり殴られた。

ヘルメットまで吹っ飛んだ。

「何、外引っ掛けとんならぁ!
 あぁ?
 それじゃけ、お前はつまらんのんじゃ!」


は?
コイツ俺の打席見てたのか?

結果しか見てないんじゃないか?


なーんて、言い返せれば良かったのにね笑


普段の練習から
こんな高圧的に押し付けられてたら
言い返しもできないよ。

ましては中学生が。

その後僕は試合から出された。

僕だけ。

悔しいし意味が分からないよ。
まだ1打席目だよ?
野球は10回中3回打てて上出来の世界。
そんでもって後輩はそのまま試合出れて、
自分は殴られて試合まで出された。
理不尽もいいとこだ。

悔しがってる僕を見て
アイツはニヤニヤ笑ってたよ。

よくアイツは僕に言ってきた。
「いい顔すんなやって」
いい顔してたのかな?
それが面白かったのかい?



相変わらず思い出すだけで腹が立つよ笑


他のみんなも僕程ではないけど、
沢山罵られて
沢山の理不尽受けて来たよ。


よく僕達はいじめのようなノックを
受けたもんだ。

罵られながらみんなより
多く走らされた事もあるし、

中には進学先を否定されたメンバーもいる。
「お前程度が」って
何でアイツに全部指図されなきゃ 
ならないのさ。

自分が仲良くない高校だからだろ?

それだけで否定するのも大概にしろ。

大人が子供の夢を否定してどーするのさ?
自分の子供がそれされてどーなんだよ?


僕達はそれを乗り越えただけでも強いんだ。
全然誇れるよ。


他にも僕はこんな事言われたよ。


「お前のせいで負けたんじゃ!」
 ↑
あなたのサインに従っただけだよ?

「何であれが捕れんのなら!」
 ↑
ライナー性の長打コースですけど?

「こっちいちいち見んな!気持ち悪い!」
 ↑
お前が毎打席見ろって言ったんだろが!

じゃ、見ないでいいんなら見ないよ。
って見なかったらセーフティバントのサインを
平気で出す。


そして「おい、今のサインなんな?」


は?

嘘だろ、コイツ?


「分かんないです。」


「なめとんかワレ?何で見んのんなら!!」


はい、1発。



すごいでしょ?笑

あなたなら耐えれそう?

僕もよく耐えたと思うよ笑笑

今どんな気持ちで読んでくれてる?
可哀想にって感じ?
他人事だなー笑笑

まぁ、僕の事だからいいんだけど。


ここで考えてほしいのは、

こう言う現状がもしかしたらまだ隠れてるかもしれない。

特に中学生なんてまだ子供だ。
その先も長い。
そんな子がせっかく頑張ってるのに、
希望でいっぱいの夢を諦めないように、

あなたが助けるんだ。

引き出しはだいぶ増えてきているはず。

遭遇したらすぐ動くんだよ。
あなたの行動でその子の未来を変えるんだ。

傍観者になるな。


知らん顔するな。




行動しろ。


君じゃできないから知らん顔するの?
何かあったら怖いから傍観するの?
気まずいから行動しないの?




君がそれでいいなら
それが君に返ってくるよ。



あなたが人を助けたり
支えたりしたいのであれば…


君はその時はプレイヤーではない。

サポーターになるんだから。


自分本位だけでは通用しない事も
きっと出てくるよ。


まぁ、頭の片隅にでも置いておいて。





けどそんな僕達にも
暗黙の共通意識があったんだ。

それは、
“俺たちの楽しい野球をするんだ”
って気持ち。



だから僕達は何言われようが
自分達の気持ちがボロボロになりながらも
支え合った。
励まし合った。


アイツは俺らの事は眼中にないから

俺らでいいプレーを盛り上げよう。

そして俺達で勝とう!!


写真もその光景の一つ。

これは中国大会の写真。
手前の子がレフトでダイビングキャッチを
したんだ。

チェンジになると同時に僕は彼の所へ行き、
グラブでハイタッチした。


「ナイスキャッチ!」



その試合、僕達は1点差ビハインドの状況で
最終回を迎えた。

打席は僕から。

僕は何としてでも塁に出たかった。

だがここは中国大会。
中国地方の猛者達が集まってる。

そう簡単に何とかできる相手じゃない。

それでも僕は必死に喰らい付いて
粘って粘って粘りまくった。


カウント3-2。

勝負がついた。

ショートゴロ。
なかなかの打球の勢い。


間に合うか?
いや、間に合わせるんだ!!


僕は必死に走った。

「負けてたまるか!」

そう叫びながら
一塁へ頭から滑り込んだ。


絶妙なタイミング。

ファーストも僕も審判の顔を見た。





「セーフ!」





ベンチ、アルプスの保護者共に盛り上がった。

父さん、母さんも嬉しそうだったよ。
僕は2人の息子なんだ。
決めるとこは決めさせてもらうよ。

その時の仲間達の声は
今でも鮮明に覚えている。

「よく走り切った!」
「うぉおー!さすがチーター!!」
「ナイスガッツ!」
「おら!続け続け!!」

これが僕達の野球。


“第10期生の野球”だ。


仲間のプレーは自分の事のように全力で喜ぶ。


アイツ?
あー、アイツは相変わらずさ。
楽しくなさそうな顔してたよ笑 

その後僕が盗塁を決め、
後続も続いてランナー1、3塁。
最後は同期が右中間へツーベースヒットを
放ち見事なサヨナラ劇だ。








“俺らの楽しい野球をやるんだ”






その気持ち、想いが、
どんだけバカにされようが、
どんな理不尽を受けようが、
どんだけ練習がキツかろうと、

僕らを繋いでくれた。

1つにしてくれた。




白球で繋がった仲間との物語。

僕達第10期生の話。




世の中色んな人がいる。
もしかしたら今度はあなたがとんでもない人と
遭遇するかもね。

可能性は否定できない。


今の環境はどうだい?

周りにいる人達はどうだい? 


いい人達かい? 



それならいいじゃないか。


楽しい方がいいもんね。



周りにいる素晴らしい人は大切にするんだよ。
自ら手放さないようにね。

一度手放したら、もう戻れない。


そんな一度自ら手放しといて
ほいほい戻ってくるような
都合のいい人はいないからね。


この先もあなたの行動次第さ。


変えられる事実は自分のいいように
変えればいい。

けど変えられない事実は変えられないよ?

そこに文句を言っても無駄だよ?


前にも伝えたように、
後悔しないようにするんだよ。




高校時代まで話しようと思ったのに、
無理だった笑

中学時代はもう少し喋りたい事あるんだよなー
なんせ濃い時代だったもんで笑


高校時代の話はまたの機会でもいいかな?


次も中学時代の話をするよ。
クラブチーム時代に起きた、
母親と僕の話。


僕があなたに見せたかったもの
目に焼き付けて欲しかったもの


そしてあなたに送ったプレゼント。 



僕が当時中学生ながら送る事ができた、





僕なりのプレゼント。




今日はどんな1日だった?

やりたい事できた?
楽しい事できた?

やらなきゃいけない事があった人もいるよね。
そっか…、それだと楽しくはないか。
前向きに考えよ!
なら、またの機会に楽しい事ができるね!

それまでのお楽しみだ。


明日もいい日にするんだよ。



じゃ、またね



















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