わたしの人生ドラマ 椿の花咲く頃
大好きなドラマ「椿の花咲く頃」
愛、勇気、優しさが幸せな日々を作っていく物語。
細かな人物設定と心理描写、巧妙な伏線とその回収、あふれる強くてあたたかなメッセージ。見ればみるほど心に染み渡る。
家族愛、隣人愛、恋愛、ミステリーのバランスがよく、重いテーマを扱いながらもコメディタッチで進んでゆく。視聴者の日々の幸せを応援してくれる作品。
簡単にあらすじを
シングルマザーのドンベグ(コンヒョジン)は、小さな街オンサンで飲食店を営みながら、街の巡査ヨンシク(カンハヌル)と恋をする。一方、街では過去の連続殺人犯が捕まっておらず、再び動き出す。
ドンベグとヨンシクを中心にその家族や街の人々を描いた物語。
(以下ネタバレを含みます)
1,ヨンシクから学ぶ
~言葉で伝えることの大切さと相手の生き方を尊重すること~
ヨンシクは、ドンベグの積み重ねてきた努力と凛とした強さを尊敬し、ことあるごとにまっすぐな言葉で褒める。
「あなたは素晴らしい」
「あなたは強い。」「自分で自分を守れる。」
「幸せになるはずだ。」
「大丈夫。」
言葉というのは、こんなにも力を与え、人を変えるものなのか。
ドンベグは、自信をつけ、より強くなる。自分と大事な人を守るために。
人生明るく生きなきゃと前向きになり、美しい笑顔がはじける。
また、ヨンシクはたとえ自分が苦しくても、ドンベグの意見を尊重し、隣を歩き続ける。時にぶつかり、時に涙しながらも、押し付けることはしない。
ここまで相手のためにできるだろうか。
冗談を言いながら、いつも明るい笑顔でドンベグを包むヨンシク。一緒に笑い、泣き、全力で守ろうとしてくれる。かわいくて、とってもあたたかくて、時にかっこよくて、本当に最高だった。
2,失敗してもやり直せるんだよ
このドラマにはたくさんの失敗も描かれる。
だけど、失敗は終わりではない。そこからの再生の道のりがしっかりと描かれ、未来に希望をもたせてくれる。
大丈夫と優しく私たちの背中を押してくれるのだ。
貧しさゆえに子供を捨てざるをえなかったドンベグの母。
弟に送金するためどんな手を使ってでもお金を集め続けたヒャンミ。
若くして成功し何でも思い通りになると勘違いしてしまっていたジョンヨル。
他人に認められたくて必死に名声にしがみつくジェシカ。
長年の劣等感からちょっとした浮気しちゃったノギュテ。
そんな人たちもこのドラマは見捨てない。
皆、自分が生きるのに一生懸命で時には失敗もする。でも、自分の間違いに気がついたとき、あなたは生まれ変われるのだとエールを送ってくれている。
3,一人一人の愛が奇跡を起こす
一番素晴らしいと思ったのが、人々の行動一つ一つが重なって奇跡を起こすところだ。
◎殺人、強姦前科のチンピラを皆で素手でやっつける
◎ドンベグの母を力を合わせて瀕死の状態から回復させる
◎皆が目を光らせているから、殺人鬼が目の前のドンベグを殺せない
◎殺人鬼を自分たちの手で捕まえ、ボコボコにする
普通なら、えー無理ー…となってしまう状況を、この登場人物たちは、力を合わせてやってのける。
もちろん、スーパーマンではないし、百万馬力でもない、泣いたりくじけたりしながら懸命に生きている普通の人たちが大事な人を守るために知恵をしぼり、勇気をふりしぼる。
「奇跡が起こった❗」ではなく、「自分たちで奇跡を起こした‼️」ところが本当に素晴らしい。
他にも人と交わり、人を変えてゆく過程がたくさん描かれている。(これも小さな奇跡たちと呼んでいいのかな)
○ヨンシクとの出会いでドンベグが自信をつけ、輝いたこと
○ドンベグの大きな優しさで人生投げやりになっていたヒャンミがやり直そうと決意したこと
○ジョンヨルが仮面夫婦だったジェシカを全てをかけて守り、やり直そうと決めたこと
○ヨンシクの母がついに子持ち女性との結婚を認めたこと
などなどなど…
わたしたちの日常にも、気づきと努力次第でよりよい明日に変えていけるものがあるのではないかと思わせてくれるし、それを応援してくれているかんじがするのだ。人が人を支え、よりよい方向に変えてゆけるのだ。
4,最後に
このドラマは韓国ではかなり人気だったそうだが、日本ではあまり話題になっていない気がする。
たしかに、主人公たちはやや地味だし、シングルマザーへの偏見や親の干渉が強く、概念が少し古いかなぁと思わせる部分もある。また、前半はのんびりペースだし、登場人物の嫌な面も見えたりしてなかなか乗り切れない感も否めない。
しかし、とってもとってもあたたかくて素晴らしい作品なので、ぜひもっと多くの方に見てもらいたい。
書ききれなかったが、他にも親子愛も美しいし、隣人たちも魅力的、ドンベグ息子のピルグの母を思う気持ちにも泣かされる。演出も最後まで凝ってあり、見るたびに新しい発見を楽しめる。そして、なんと言ってもドンベグがかわいい。
私はこのドラマに出会えて幸せだったし、これからも今日を大切に生きる力をもらい続けるだろう。
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