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ヒプノシスマイク 2nd D.R.B. 各ディビのコンテキスト個人的まとめ

ヒプマイは楽曲で推すスタイルなのだけど、オタクなのでどうしても文脈を背負った楽曲が特に好きになってしまう。2nd D.R.B 曲はエモ曲が超多くて文脈があまりに乗りすぎて最高だったので、改めて各ディビジョンがどういうコンテキストを背負っていて、それがどう回収されたのかを個人的におさらいしていきたい。
ただしあくまで主観な上、全体的にふんわりした理解なので、解釈違いは悪しからず。

オオサカ ディビジョン

オオサカディビジョンが背負っているコンテキストは主に盧笙の再出発零と山田家の関係の2つ。あとは簓と左馬刻の関係もあるが、今回はv.s.イケブクロなのでこちらは割愛。
盧笙の過去はコミカライズで存分に語られたが、盧笙と簓は二人がまた一緒になって上を目指しているということ自体が最高。オオサカは新曲がエモ曲ではなく盛り上がり曲だったのだが、エモ曲じゃなかったということそれ自体に文脈が乗っていてエモなのである。バトル曲で二人楽しく漫才をしていた姿は「あの頃」の再現であり、その姿に泣けばいいのか笑えばいいのかわからなかった人もいたのではないだろうか。私は簓が先生役なんかい!とツッコんだ。とにかく簓と盧笙が楽しそうな姿が見れて満足。ただ盧笙が抱えている劣等感の問題は解決していないので、たぶん二人は将来もう一回別れ話をすることになると思う。
零に関しては行動原理がまだ秘されているので、バトル曲で一郎と対峙したときに少し片鱗が出た程度だった。正確には、片鱗をチラ見せされたというべきなのかもしれないが。零は物語の根幹にかかわるキャラなせいでまだ回収されない文脈が多いので、そのぶんオオサカはちょっと不利になっている気がする。しかし数年後に今回のバトル曲の意味が回収されることになるのだろう。

イケブクロ ディビジョン

イケブクロディビジョンが背負っているコンテキストは主に1stでの敗北からの兄からの自立・兄越え父との因縁の2つ。
ブクロは兄弟の物語が語られているのが良い点だが、現時点で二郎と三郎の背負う文脈がほぼ同じなので損でもある。しかし前回発表されたソロ曲から二郎と三郎の物語に差が出てきつつあり、今回の新曲では一郎、二郎、三郎それぞれの敗北を糧にした成長が語られたのがエモ。特にエモ二郎がエモすぎる。また一郎は兄であるためあまり弱みを見せないのだが、彼もThe Dirty Dawg解散時に左馬刻に負けて弟を失いかけているので、その文脈も乗ってくる。今回は再起が歌われたが、今後改めて二郎と三郎の自立も語られるだろうし、それを受けて一郎がどう成長するのかも楽しみ。ブクロはオールタイムで最も将来に期待できるチームである。まばゆい。

ナゴヤ ディビジョン

ナゴヤディビジョンが背負っているコンテキストは主に十四の成長獄の寂雷コンプレックスの2つ。あとは空却と一郎の関係もあるが割愛。
ナゴヤは個人的に今回の6ディビジョンの最エモ賞で、新曲の「開眼」で十四と獄の二人の過去を、空却と寂雷を対比させつつ救済するという離れ業を見せた。めっちゃ文脈を盛ってくる。マジで泣いた。二日目に見返してまた泣いた。1曲の中で素の十四と我十四を見せることで不退転の成長を表しつつ、獄に寂雷へのアンサーをさせつつ、空却の救済と寂雷の救済を対比させる詰め込み具合はまさに芸術的で、もっと言うと寂雷特攻と言っても過言ではない構成になっている。バトル曲でも空却と寂雷の対比が見られ、その上で獄はコンプレックスを克服し、さらに一二三と独歩の背負った地獄を否定する十四と空却はコミカライズで描かれた過去を踏まえると説得力がある。もう歌詞のすべてにコンテキストが乗っていたといってもいい。さらにナゴヤはの3人は憑依型というか、頭一つ抜けてキャラの再限度が高かったので、それもエモに拍車をかけていた。

シンジュク ディビジョン

シンジュクディビジョンが背負っているコンテキストは主に連覇&プレッシャーである。一二三・独歩と仄々の因縁あたりも気になるが割愛。
シンジュク・ヨコハマ・シブヤは1stで因縁の相手とのバトルが済んでいるので、メインの話が中央区との関係性に遷移してきており、その上シンジュクは前回優勝していることもあってちょっと文脈が乗りにくい節があると思う。今回は相手がナゴヤであり、特に獄はテーマが「月に手を伸ばせ たとえ届かなくても」で、現時点ではこの月は寂雷なので、寂雷は越えがたい壁、チームを優勝に導いた男としてスーパーマンでなくてはならない、ということになる。とんでもないプレッシャーである。Light & Shadowというタイトルも実に露骨だが、単にLightは輝かしくShadowは負け犬というわけではなく、それぞれに苦悩と希望があるわけだ。しかし、一人ではなく一二三、独歩と互いが互いを支えあうことで、三人一緒だからその困難を乗り越えることができる。1stの勝利を通して絆が深まったのか、今回は特にこの支えあいが重点的に語られたのが良かった。とはいえ、この構図は前回とある程度に通っているわけで、やっぱり敗北による文脈の変化は強いなぁと思うわけだ。

ヨコハマ ディビジョン

ヨコハマディビジョンが背負っているコンテキストは主に前回の敗北乱数との因縁の2つ。さらに言うと銃兎の麻取の過去理鶯のテロ計画も徐々に語られているので気になる。
シンジュク、ヨコハマ、シブヤは因縁が中央区周りにシフトしてきているといったが、攻めの要がヨコハマと言える。左馬刻の合歓に対する感情の大きさと、理鶯と少佐殿周りのエピソードによるものである。これまでシンジュクは落ち着いたクールなイメージの曲が多かったが、今回の曲がバチバチなのは、今後の展開への攻めの気持ちの強さを象徴しているようでとてもエモかった。バトル曲も期待以上のバッチバチで、普通に怖すぎて何をとは言わないが漏らした。いつもクールな男たちがここにきてチャカを抜きガチでタマを取りに来たようで、まさしく敵に回せば怖いが味方になるとこれほど力強い男たちはいない。

シブヤ ディビジョン

シブヤディビジョンが背負っているコンテキストは主に乱数である。今のヒプマイの中心は乱数と言ってもいいくらい強いコンテキストである。さらに幻太郎、帝統の正体についても少しづつ明かされてきている。
シブヤは対中央区戦の主人公と言ってもよくて、もっとも次の話が気になる存在である。とはいえヨコハマとは違い、如何に中央区の追撃を凌いで生き延びるかという方向性となっている。お前たちはライブに出とる場合じゃないやろと思った人も多いと思う。また、シブヤの三人は「正体不明」という共通項があって、クローンである乱数、明らかに出生と現状が乖離している帝統、自分は幻太郎ではないと訴える幻太郎と、それぞれ大きい謎を抱えているのだが、新曲はそれをうまい具合に絡ませた超エモ曲だった。一人では生きていけず、だからこそ仲間を引っ張って進む帝統。本当の本物に嫉妬しているが、だからこそ綺麗な夢を描く幻太郎、そして二人に救われる乱数……「調和」とはこういうことだ。1+1+1で跳ね上がるヨコハマと3つで割れないシブヤという歌詞は本当にうまくそれぞれを表していると思う。
あとはバトル曲になったとたん、勝つために、本気で相手をおちょくる乱数の姿が本当に尊かった。シブヤとヨコハマは本来敵同士ではなく、本当の敵は中央区なのだが、しかしここで今度こそ己の絆を貫き通すことこそが「Reason to FIGHT」だという強い意志を感じた。

総括

どのディビジョンもよかった。個人的には、投票の観点でいうと特に直前の新曲にどれだけ文脈が乗るかによって明確に有利不利に偏りが出るような気がした。逆に言えば負けたチームも何かが劣っていたということにはならないと思う。とはいっても推しが負けるとショックなのは間違いない。そこで名案があるのだが、100回くらいD.R.B.してくれたら1回1回の勝ち負けもあんまり気にならなくなると思う。ヒプマイさんにはそこのところ是非とも検討してほしい。

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