見出し画像

61. 川島博之『日本人が誤解している東南アジア近現代史』後編

 ベトナムに拠点を置くアジア開発経済学者の川島博之氏による『日本人が誤解している東南アジア近現代史』をさらに読んでいく。

 東南アジアを語るときにからんでくる、大乗仏教と上座部仏教の違い。そして、中国もしくは華僑との関係。上座部仏教のミャンマーに接する日本人は、ミャンマー人の敬虔さにメロメロになるらしい。それを、「ミャンメロ」と称する。本当かなあ、と思ってググったところ、9件しかひっかからなかった。この記事が10件目になるのかもしれない。

 前半では東南アジアの人口動態にフォーカスされていたが、後半は歴史。中国から陸路でかんたんにつながるベトナム以外は、その歴史における他国との接点はヨーロッパが中心になる。そして、やがては日本とアメリカがやってくる。

 歴史の次は、農業、エネルギー、交通といった開発経済学者らしいさまざまな視点から東南アジアが語られる。日本の原発や新幹線がなぜ売れないのか、読めば読むほど「なるほど」が増えていく。

 そして、やたらとバインミーを食べたくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?