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62. 千葉涼太『トランクルーム、コンテナ、バイク倉庫で儲ける方法』前編

 約2ヶ月前から投資をはじめたばかりの初心者だ。個別株はリスクが高いし、不動産投資は難しいらしい。だから、投資信託、それもインデックス投資一択。
 そのスタンスはまだ変わらないのだが、まわりにトランクルーム投資でえらく稼いでいる知人がおり、そちらもずっと気になっていた。
 投資の対象としてはまだまだ知名度が低く、一方で街で増殖しつづけるトランクルーム。知名度に比例して数の少ないその投資本で、トランクルーム投資の世界に触れてみた。

 本書によると、トランクルームやコンテナ、バイク倉庫といった「物置投資」の実質利回りは20%らしい。表面利回りではなく、賃料収入から経費を引いた実質利回りが、だ。本書の出版は2015年。その後の6年間で多少なりとも変動はあっただろうが、仮に10%でもすごい。

 物置投資のネックは、数十万円といった少額からはじめられる代わりに、不動産ほど規模の経済を期待できないところ。一攫千金ではなく、コツコツ安定した収入を稼ぐのに適しているようだ。
 利用者の募集や賃料の回収、現場の清掃を運営会社に委託したら、オーナーはほとんど何もしなくていい。このお気楽さは、インデックス投資に通じるところがある。

 市場拡大の可能性も魅力のひとつだ。広大な土地を誇るアメリカ。家も広々としたイメージだが、10世帯に1世帯が外部の物置、セルフストレージのサービスを利用しているらしい。一方の日本は、1%をはるかに下回る。このギャップを悲観的に見るか、それとも楽観的に見るか。少なくとも、日本における市場は、本書が世に出た2015年当時から1.5倍に拡大している。

 ローリスク・ミドルリターンの物置投資が日の目を見ないのはなぜか。きっと何か裏があるはずだ。胸にそう抱きながら、後半を読んでいこう。

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