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一流ピアニストのテクニック(運指についても少しだけ)

演奏家にとって、楽器を操る技術を高めることはとても大切な課題です。
ある曲を演奏するためには、その曲を演奏するために必要なテクニックを身につけていなければなりません。
そして確実なテクニックを裏付けするものは、「トレーニング」と「コツ」であると私は思います。

トレーニングは、身体を作ることです。スポーツ選手が自分の競技に必要な筋肉を鍛え上げるように、演奏家もさまざまなトレーニングを通して、自分の楽器を演奏するための身体を作ります。

コツとは、頭の問題です。ついさっきまでうまく演奏できなかったパッセージが、少し意識の仕方を変えたり、ちょっとした発想の転換を行うことでスムーズに演奏できるようになることがあります。これは身体のトレーニングとは違い、アイデアの問題なのです。

さて、今回のタイトルである「一流ピアニストのテクニック」については、様々な角度から分析することができますが、私が今特に注目しているのは「運指・指使い」です。これはピアノ奏者のテクニックを支える大きな1つの要素であり、指使いを考えることは実にクリエイティブな作業です。
例えば子どもが通うピアノ教室で、「楽譜に書かれている運指を守るように」と教えられることがあります。しかし実際には、同じ曲を3人のピアニストが演奏して、3人ともが全く同じ指使いを用いることはほぼあり得ません。最適な運指とは、手の形によっても違うし、どんな表現を求めるかによっても変わるものだからです。したがって自分に合った指使いを探すことは、ピアニストにとって大変重要な仕事の一つなのです。

今後の投稿では、具体的に特定のピアノ作品に焦点を当てて、
・楽譜にはどんな指使いが書かれているか
・ピアニストたちはどんな指使いを使っているか
・他にどんな指使いが考えられるか
についてご紹介した上で、それぞれの指使いの特徴を考察し、私が選ぶ指使いについても考えたいと思います。

ご興味のある方はぜひご一読ください。

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