逆半沢直樹 映画「鍵泥棒のメソッド」
私は堺雅人さんが好きだ。彼の演じる役はどれも魅力的だ。ご多分に漏れず、半沢直樹には毎週かじりついている。先日の緊急生放送で、堺雅人さんと香川照之さんの仲の良さそうな様子を見て、昔見たはずのこの映画をまた見たくなった。主演の二人(堺雅人&香川照之)は言わずとしれた半沢直樹コンビ。ちなみに広末涼子と堺さんはリーガルハイコンビである。
非常に突飛で、現実離れしている設定であるがゆえに、肩ひじ張らず見れる映画である。気楽に映画を見たくなったときにオススメしたい。
堺雅人さんは、人生がうまく行かない役者志望のフリーター、桜井。香川照之さんは、法律スレスレをつく、有能な便利屋のコンドウを演じる。ひょんなことから、コンドウが記憶を失う。その原因を作った桜井は、人生に絶望して自殺を考えていたところだったが、記憶喪失に乗じてコンドウを名乗り、コンドウとして生きていこうとするところから、物語が展開する。
シンプルに言うと、堺雅人さんは、半沢直樹とは真逆の無能なダメ人間、香川照之さんは大和田常務の有能さはそのままに、毒気を抜いたような人間臭い人物。半沢直樹において、それぞれの役が魅力的である所以をそのまま消してしまったような役柄だが、両者とも魅力的で、つい応援してしまう。
堺さんの代表作は?と問われれば、多くの方が半沢直樹を挙げるだろう。並の役者なら、大ヒット作の主演を演じると、他の作品もその役に見えてしまうものだが、堺さんには過去の役柄を思い出させないうまさがある。私は好きだと言っておきながら、まだゴールデンスランバーを観ていないような、堺雅人フリーク初心者だが、見ていない作品が多いということは、それだけ人生の楽しみがあるということ。そんな私は、コンドウを名乗る必要はないのである。