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月刊そうすけVol.18


ー物の心を助けるーを社訓とする「古家具古道具そうすけ」
その名の通り店内には、愛情を持って丁寧に補修された古家具や古道具たちが並びます。
心を込めて、前の持ち主から新しい持ち主へのバトンタッチの役目を果たしたい。
一生付き合える古家具古道具との出会いがあることを願って…。



明けましておめでとうございます!

2024年辰年を迎えました。十二支の中で唯一架空の動物である辰。
中国伝来によると、辰年は陽の気が動いて万物が大きく成長、形が整う年だそうです。

そうすけは創業22年目。鎌倉からすべてを寒川に移転し、稼働し始めてからは4年目。耕した土に植え続けた種が芽を出して大きく育ち整う、そんな年になりますように!

今回の月刊そうすけは色々と振り返りつつ、今後の進展を描く、そんな取材です。


ー鎌倉店時代、寒川移転を振り返るー

古道具のそうすけと名前を出すと、
あ、鎌倉にありましたよね〜というお返事をよく耳にします。

そうすけ鎌倉店時代


手探りで店を作って行った様子

https://note.com/sosuke312/n/ncb2fc8dace1e
※以前書いた記事「鎌倉店時代」


元々そうすけは2002年に鎌倉でオープンしました。

DIYを重ね、地道に作り上げていった行った店は鎌倉で定着し、
10年ほど経ち、店主米倉が鎌倉の他に場所を探し始めたのには大きく3つの理由がありました。

①鎌倉の街の雰囲気が観光化され、お客さんの層に変化があった。
②敷地の問題で、競りで落としたい大物や数も諦めなければいけない歯痒い思いをするようになった。
③オンライン販売を充実させる重要性を感じ、それに伴い在庫を置く広さも必要になった。


数年あちこち見てまわった結果辿り着いた土地が今の店舗と工房がある寒川でした。


現在の寒川店 手前が店舗 奥が工房


鎌倉店と並走し、そうすけ寒川店は2016年にオープン。
電気の部品工場だったおよそ100坪の土地に立つ古い建物を、またまたスタッフらでDIY。


DYI 色々なものを剥がしたり直したり、今の形になりました。


正直、車でないと行きづらい住宅街の奥地。
鎌倉の店舗とは比べ物にならないアクセスの悪さです。

3年目にしてやっと兆しが見え、4年目には来客とオンラインの売り上げも増えました。
寒川だけでやっていけるという確信に至り2020年、鎌倉店を閉めることになります。


ーコロナとオンラインー

2019年の中頃から2020年にかけて鎌倉から寒川の1店舗になったそうすけ、
その流れを聞くと寒川店が無事に稼働した時期はコロナのスタートと重なります。
これは本当にたまたまだそうです。

コロナ禍、世界がガラッと変わり、「明日がどうなるかわからない」というリアリティが沢山の人に考えるきっかけや変化をもたらしたことを肌で感じるシーズンでした。

早いうちからオンライン販売が生き残りの鍵だと判断し、そこに力を入れ続けたことがコロナ禍を乗り切ったひとつの大きな材料でしょう。


商品撮影の様子

カメラの講座にも通い、
そうすけらしいオンラインでのアピール方法も探りながら構築していきました。

オンラインの販売も結局接客と同じ。
そうすけのお客様が求めている接客をオンラインに落とし込んでいるだけ
だと店主米倉は言います。

価格設定や並べる商品のラインナップも、程よい”そうすけのライン”を常に意識し
お客様が求めているところにゴールを目指しています。


この日はお店を始めたいお客様が来店 好みや必要な情報などをすり合わせて行きました。


コロナ渦中はオンラインの売り上げが多かったが、最近は店舗に足を運んでくださるお客様が増え店舗の売り上げがネットを上回る月も出てきました。



時代が変わるからそこにヒットさせないといけないし、
そうすけらしさのテーマはやはり「接客」だという根幹は一番大切にしていると言います。


ー接客ー


店主米倉と取材でお話ししていると、毎回必ず出て来る言葉は「接客」。
若かりし頃、アパレル業界で培ったテクニックの全ては接客に通じます。

https://note.com/sosuke312/n/ncb2fc8dace1e
※接客についての細かい記事



いらっしゃいませでなく、こんにちは! がそうすけ流


目的は一つ、お客様に楽しく気持ちよく買い物をしてもらいたいという一心だそうです。

「普通でいいんだよ」と必ずこの言葉も耳にします。

日々生きる中で、今日の天気、季節の移ろい、友人や家族、周りの人のコンディション、何が今世の中で面白いのか、全身をアンテナにして世界を肌で感じる。

そうすけにくるお客様は、いわゆるショッピングモールやデパートなどのマニュアル化した接客(そうじゃないかたもいらっしゃるとは思いますが)は求めていない。真を食って、相手が何を求めているのかを察知し、助けてあげるだけでいい。

それが店主米倉が話す「普通」。



仕入れた古家具を洗う



職人が修理




美しく陳列


仕入れの段階から、長年培った直感を駆使して、良いものを選んでいる。
信頼のおける職人により、ちょうど良く丁寧に修理され生まれ変わった古家具たちは美しく店舗に並んでいく。

オンラインも同様で、必要な情報が伝わるアングルで撮影された古家具の写真が
シンプルな説明とともにネット上に並んでいる。

その状態でもうばっちりとお客様を迎える準備ができている。

あとは笑っているだけで本当は通じるはずなんだと語ります。

その説得力はそうすけの店舗、オンラインショップ、
取材を通してスタッフの方々にお話を聞いたり、家具撮影の様子を見て、我々も実感しているところです。

それはファンであるお客様が一番感じていることかもしれません。

ー2024年ー

数年かけてそうすけが進めているプロジェクトがあります。
まだ詳細はお伝えできないのですが、
今年の目標はまずそのプロジェクトを軌道に乗せることです。

何かを始めることというのは
実践と検証の繰り返しだと言います。

例えば、好きなことを仕事にするというのは一見カッコよく思えますが
リスクも孕んでいます。
理想だけで進んでしまうと、いつか壁にぶつかる時がくる。

好きな仕事を好きでい続けることは実は生半可なことではないのかもしれません。




どの分野でも、軌道に乗っているなと思う人は必ず
地道な積み重ね、改良、検証を続けているのでしょう。

野球少年だった米倉店主曰く

例えば大谷選手
あれだけのことをやり遂げるのに、何かを犠牲にしているように見えるかもしれないが
本人は何も犠牲にしてない、好きに向かって全てを集約しているのではないか。

巨人の桑田二軍監督は「常識を疑え」が座右の銘。
常識を疑うこと、何かに気づくことはとても大事で
気づくためには常に自分の感度をあげていないと行けない。

年初めからピリッと背筋が伸びるお言葉をたくさんいただきました。




話は飛びますが、しかしながら
きっと米倉さんが一番好きなのはお酒なのではないか・・・
と約2年ほどの取材を通して感じてもおります。

ピリッと締めるところと、ほろ酔いで抜ける余白や洒脱さ

そう、これがそうすけっぽいカッコ良さなんだよなあというのを
新プロジェクトも合わせて、この辰年のご活躍も楽しみにしております。



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「古家具古道具そうすけ」
https://www.so-suke.com/
https://www.instagram.com/sosuke312/
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取材:合同会社ノスリ舎

https://www.instagram.com/nosuri_sha/

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