【規則的な並び】「平衡素数」を紹介
久々に、素数の紹介をしたいと思います。今回は、「平衡素数 (Balanced Prime)」です。
素数は、不規則に並んでいます。
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, …
と続きますが、次の素数がいくつ先にあるのかは予想ができません。上の素数の場合は、以下のように大きくなっています。
+1, +2, +2, +4, +2, +4, +2, +4, +6, +2, +6, +4, +2, +4, +6, +6, +2, …
だいたいは10以内先に次の素数があるのですが、いきなり大きく素数が飛んでしまうこともあります。例えば、113の次は127ですね。14も離れています。
規則的に並ぶことが少ない素数。そのため、規則的に並ぶ素数には名前が付けられています。それが、平衡素数です!
Wikipedeia には、
と書かれています。算術平均とは、よく言われる「平均」のことです。
例えば、5は平衡素数です。5の1つ前の素数は3、1つ後の素数は7です。3と7の平均を求めると
(3+7)/2 = 5
が成り立っているので、5は平衡素数になっています。
先程の素数の増え方をご覧いただきましょう。
+1, +2, +2, +4, +2, +4, +2, +4, +6, +2, +6, +4, +2, +4, +6, +6, +2, …
平衡素数が成り立つ条件は、2連続で同じ増え方をしているときです。
+1, +2, +2, +4, +2, +4, +2, +4, +6, +2, +6, +4, +2, +4, +6, +6, +2, …
ここには2パターンしかなくて、+2の方が(3, 5, 7)。+6の方が(47, 53, 59)です。つまり、53も平衡素数ですね。
53 = (47+59)/2
が成り立っているので。
平衡素数の具体例はこちらです。実は、1000以下だと15個しかありません。10000以下でも65個しかないのです。
(※1000以下の素数は168個、10000以下の素数は1229個です)
連続した素数が平衡素数になるケースはさらに珍しく、10000以下だと
(257, 263), (1747, 1753), (3307, 3313), (5107, 5113), (5387, 5393), (6317, 6323), (6367, 6373)
だけですね。さて、平衡素数の前後の素数も載せてみましょう。
それぞれ、どれぐらいずつ増えているかというと…。
実は、(3, 5, 7)以外はすべて6の倍数ずつ増加しているのです。+2や+4とかだと、途中で3の倍数が含まれてしまうからですね。
「+6」のケースが圧倒的に多く、「+12」だと10000以下では6パターンのみです。真ん中の太字が平衡素数ですね。
平衡素数は、無限に存在すると予想されています。ただし、証明はされていません。未だに謎です。
今回は、平衡素数について紹介してきました。素数の平均を考えることはなかなかありませんでしたね笑。筆者もあまり馴染みのない素数だったので、これからも平衡素数について面白い性質がないか調べていこうと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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