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『RRR』を観た。

 『RRR』というインド映画を見た。映画館で初めて予告を見たときは「あ、これは多分見ないやつだな」と思っていたのだが、ネット上での評価が異常に高く、「今回のアカデミー賞のダークホースだ」とまで仰っている人がいたので、一応観ておくかということになって、重い腰を上げ(なにしろ三時間あるのだ)、映画館へと足を運んだ。

結論から言うと、その判断は大正解だった。ど派手なアクション、心揺さぶられるダンス、怒涛の展開に次ぐ展開、そして迎える大団円…。「インドに行って人生観が変わる」とはこういうことかしら、そう思わせるほどの衝撃であった。
上映が終わると、周りから自然と拍手が湧き起こった。儀礼的なものでは全くなく、ただ純粋にこの映画に対して賞賛を贈りたい、そんな熱のこもった拍手だった。映画はそれなりに見てきたほうだが、この映画を「映画体験」の観点から評価するならば、本気で百点満点だと思っています。それくらい凄かった。本当に。

確かに、ストーリーには多少のツッコミどころがあり、ぶっとんだアクションも満載ではあった。しかしこの映画には、非現実的な状況に説得感を持たせて余りあるほどの、凄まじいパワーと熱量がある。我々の「あれ、おかしいぞ」という論理的思考はそれらによってねじ伏せられ、遥か彼方へ押し流されてしまう。「脳筋映画」という名前がここまで相応しい作品は、他にはない。

『RRR』の魅力は、そのストーリーの単純さにある。MCUの映画が、僕含め多くのファンを引き剥がさんとマニアック路線をひた走るなか、この映画は誰にでも理解できる内容で真っ向からぶつかってくる。その「王道感」とでも言おうか、エンタメど直球の純粋な面白さが我々にとっては懐かしく、かえって新しくも感じられる。より純粋な媒質を通った力ほどその伝達は速く、そして強い。それがこの映画の持つ、異常なまでのパワーと熱量の正体なのかもしれない。


というのが、この映画を初めて見たときの感想、つまり二ヶ月以上も前の話である。

僕はこの後、『RRR』を合計三回鑑賞することになる。RRR缶バッジとLINEスタンプを購入し、Spotifyの履歴の上位がRRRの楽曲によって占拠されるようになり、数少ない友人に怪訝な顔をされながら、RRRがいかに素晴らしい映画かを熱弁することになる。(そのうち一人には無事「布教」が完了した)

この映画を(現時点で)三回見て気付いた点や考えたことも書きたいなとは思っていたのだが、文章が全くまとまらないので、また今度書こうと思います。
とりあえず今日は書き溜めていた感想の部分だけまとめてみました。

以上です。

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