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sosoの素(91)

気が疲れる 中編

普段の展覧会の時に在店しているときは一度に多くの方が来てくれるので使い方やちょっと世間話をする程度しかできない。だからみんながスムーズに見れるように周りを気にしながら誘導したり、迷ってる背中を押したり引いたりすることが大切だと思ってる。
東京出張は展覧会とは違って、僕とマンツーマンで商品を見ながらいろんな話をする。商品への愛を語ってくれる人もいれば、家事やこれからの悩みを話してくれる人もいる。
展覧会ではちらりとしか感じることができないけど、このスタイルだと僕の生活はこんな方々で支えてもらえてることや世の人はそんな悩みを抱えているんだとか普段なんとなくの想像でしかないことが具体的に目の前で感じれる。
そんなことが展覧会とは違う東京出張の醍醐味で、喜びでもあるのです。
だから楽しいから手間やコストはかかるけど僕にとっても大切なやり方の一つのです。

出張が終わって帰宅した翌日、表札のオーダーの取り付けと古家具リフォームの納品があった。もう1件引き取り待ちの方がいて、納品先から自宅の途中だったので寄れますよと連絡して夕方くらいになるかな?とお伝えして配達することに。
表札の取り付けが思ったよりも早く済んで、ついでの配達の方に早く行けそうだけど夕方にとお伝えしていた手前、早くなってもいいのか確認するために何時から在宅ですか?とメールしてから年間パスポートがあった美術館に行って、お昼を済ませても連絡が返ってこないから夕方までまだ時間があるからどうしようかとなんとなく配達先の方に車を走らせてるとIKEAが見えたのでせっかくだから寄って行こうとIKEAに着いた時に何だか気持ちが落ち着かないと気がついた。
早くついでの配達を終わらせて帰りたいのになんで返信がないんだろうと。
普段ならゆっくり遊び半分で見れたり、最後のソフトクリーム早く食べたいなーとか思ってそうなのに、メールの返信がこない、いつ行けばいいの?何返信がこないの?夕方には本当に居る?なんて夜までに帰宅すればいいだけなのに分刻みで行動しているかのような気にし方がいつも通りじゃなかった。
結局、配達の方は主にやり取りをしていた奥さんはお仕事で連絡は取れず、夕方にお伺いしたら旦那さんは在宅で仕事をしていた。なので早くても遅くてもいつでも配達してよかった。少しの待ち時間を兼ねて寄ったIKEAでは以前から疑問に思っていたことがクリアになって一石二鳥だった。
帰宅後、東京出張前のもらい事故のようなことの最後の連絡をしなきゃと一踏ん張りで30分くらい話をして、終わって戻った時には何もかもがしんどくて誰とも関わりたくない、もう無理だとダメになってしまった。
携帯もパソコンもテレビも見たくないし子供の声もうるさく聞こえる。早く楽になりたいけどどうやったら楽になるかもわからないからとりあえず横になりたかった。
夕食を済ませて一人横になった。

翌日、オーダーの打ち合わせがあった。とても良い方だったのでスムーズに進んでいたけど、こんなにスムーズに進んでいるのにどこか気持ちが落ち着かないことに気付き今の自分がおかしいことがよくわかった。

ある時にイベントでたくさんのファンの方とお会いした後に体調を崩した人が精神科医の人に相談した記事を読んだ。
その方はイベントは本当に楽しく、来てくださった方みなさんいい方で本当にいい時間を過ごしたのにそれ以降調子が悪い。元気がでない。
あんなに夢の様な時間だったのに不思議で不思議で仕方がなかったそうだ。それを受けて精神科医の先生は初対面の人の笑顔は実は一番人間が緊張を覚える表情で、それを順繰りで行うことは相当のストレスになるようなことが書かれていたのを思い出した。
僕も東京出張自体はとても楽しく有意義な時間で楽しかった。
誰もがいい方ばかりで嬉しい言葉もたくさんいただいた。
僕の読んだその記事と規模は違えど状況が似ていて一緒かもと思えた。


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