裸足の指を舐めるのがすきな猫の話
猫が死んだ。いつもふわふわとあたたかかったお腹は、わたしがようやく家に帰ってきた頃にはもうしっとりとつめたくなっていた。
その日は職場の先輩と飲みにいく予定だったのだけど、母親からのラインを見て動揺したわたしは「猫が死んだので今日は遠慮させてください」と馬鹿正直に言い残してすぐに家に帰った。職場から出て地下鉄に乗り、乗り換えをして最寄り駅までつくまでの間のことをわたしはよく覚えていない。元々身体が弱っていたので覚悟はしていたが、はやく家に帰らなくちゃという焦燥感と、家に帰