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─素敵な作品群─

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何度も読み返す作品群や創作企画等のブックマーク。創ってくださって有難うございます。
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#小説

こたつでみかん 『最後の心臓』 批評

こたつでみかん『最後の心臓』 https://ncode.syosetu.com/n1089gx/ 山口静花 評夢中になっ…

高村芳『ショッキングピンクの印』批評

高村芳『ショッキングピンクの印』 ――――――――――― 今回は辛口コメントをご希望され…

入間しゅか『馬鹿みたいにお天気』 批評

入間しゅか『馬鹿みたいにお天気』 山口静花 評彼氏と別れてしまったことの虚無感、やり場の…

取り込むこと

彼女はフォークを右手に持ち、無慈悲に力を込めた。意識が銀の鋭い先端に集まり、赤い肉の中に…

丑尾
3年前
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ジャーマンアイリス(誕生花ss)

 何でも人並み以上にできたせいで、何にも情熱を持つことができないまま、高校生になってしま…

てい
3年前
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海は返す(短編小説)

海の日なので、海の話を書きました。暗いです。  釣りに行ってくる、と言って出かけた弟が、…

てい
3年前
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バーベナ(誕生花ss)

 教会から村へ向かう小道で、天使を拾った。  清らかな異国風の装束を身にまとった白髪の少女の華奢な背中からは、白鳥のそれを思わせる、優美な羽が生えていた。しかし私が彼女を見つけたとき、その羽の右の方は無残に折れ曲がり、彼女自身も、ひどく傷ついていた。地に伏し、荒い息を吐くその様子に、思わず抱え上げて、教会に連れて帰って来てしまったのだった。  羽の生えた少女は数日間、高熱にうなされていたが、看病の甲斐あってか、やがて起きて歩き回れるまでに回復した。どうやら私の使う言語を話すこ

「天使の梯子」の批評活動のはじめに

 それは天上から地上へ登る為に無残にも折れた梯子である。                …

批評・応募要項

文読堂「天使の梯子」の文学批評にご興味をお持ちくださりありがとうございます。 応募方法に…

文学批評事始

序文 「天使の梯子」――そんな言葉が、ある日、頭上から降ってきた。 批評を目的とした三人…

グァバ(誕生花ss)

 その男は幼少の頃から頑健で、風邪ひとつひいたことがないと言う。どんな感染症が流行しても…

てい
3年前
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タツナミソウ(誕生花ss)

 生命科学の発達はめざましく、近年、動物の生命力をそのまま数値に換算することが可能になっ…

てい
3年前
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イングリッシュラベンダー(誕生花ss)

 人間が書いた旧約聖書によれば、ヘビにそそのかされたイヴとアダムは知恵の実を食べ、恥じら…

てい
3年前
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コモンセージ(誕生花ss)

 庭のアイツをどこかへやってくれ、と、寝台に横たわった祖父に言われたので、私は驚いて首を振った。 「アレをお払い箱にしたら、お祖父様、死んでしまいますよ」  庭に佇む女の形をしたアレが在るからこそ、寿命をとっくに通り越した祖父は生きていられるのだ。俯き加減に立つ、髪の長い女の姿のアレは、見た目こそ不気味だが、持ち主の命を守る存在なのだ。  しかし、祖父はこわばった顔で、主張を譲らなかった。 「アレがあるから、おれは死ねないのだ。もうとっくのとうに死んでいて良いのに。おれはもう