足の浮腫が気になる方へ
足の浮腫が気になる方へ(1/3)
こんにちは。
フィジカルトレーナーの大森と申します。
夕方になると足がパンパンになっている
朝、パンプスを履くときつい
長時間同じ体制で移動していると足が浮腫んでくる
このような状態の人は多いのではないでしょうか。
浮腫みにはいろいろな原因がありますが、今回から数回に渡って、私のコラムで運動で改善・予防ができる方法をお伝えしていきますね。
以下の原因で起こる浮腫みについては、運動を行うことで効果が期待できます。
〇血液循環不良
〇筋力のポンプ作用の低下
〇心機能の低下
血液の循環不良によるむくみ対策
まず今回は血液循環についてです。
浮腫みの主な原因は循環不良です。
循環不良になることで、血液や老廃物が重力の影響で下半身に多く溜まります。
本来であれば重力の影響を受けても、それに逆らって血液や老廃物を上に押し上げることができますが循環不良があるとなかなかそれを押し上げることができず、浮腫みや張りの原因となります。
それでは循環不良を起こさないためにはどのようなことが必要でしょうか。
大きく分けると
水分をしっかり補給する
体を温める
体を興奮させ過ぎない
となります。
水分を補給する
血液循環を行うためには、血液がドロドロでない状態であることと適切な血圧であることです。
人間の機能として血液量が減ると血圧は下がり、血液量が増えると血圧が上がります。
血液の多くは水分ですから、水分が十分でない状態では血液がドロドロとなり、十分な圧力(血圧)を保って循環することが難しくなります。
体を温める
自然界のルールとしては
冷える=動きが低下していく、固まっていく
温める=動きが活発になる、柔らかくなる
です。
冷凍庫と電子レンジをイメージすると分かりやすいですね。
ですから、身体がいつも冷えている状態では身体の機能は低下し、循環不良が起こりやすくなります。
体を興奮させ過ぎない
イメージとしては体を興奮させた方が、身体が温まり、循環が促進されるような感じがしますよね。
でも実は体を興奮させすぎると、かえって末梢への抵抗が増え、血液循環が悪くなります。
全身へ満遍なく循環させるためには体を興奮させ過ぎないことが重要です。
上記の3つことを踏まえて考えると、具体的には以下を習慣づけることが大切です。
十分な水分を取る習慣
※お茶、コーヒーなどの利尿作用があるものでなく、ミネラルウォーターなど
頭寒足熱
とくに下半身を中心に温めることが重要
体を興奮させ過ぎない運動
バリバリとトレーニングをやれば良いのではなく、自律神経を整え、循環が促進される
強度設定が重要です。
おすすめプログラム
〇エアロバイク
〇心拍数110以下
〇10分
〇疲労を感じないが、汗が出てくる強度 ※自覚的にはかなり軽めの負荷がちょうどいいです。
〇できれば2週間毎日実施
上記の頻度で少しずつ運動に慣れてくれば、1ヶ月ほどで変化は出てきます。
その後の強度、頻度は、また調整が必要です。
ぜひ浮腫みの予防のために、血液循環がよくなるために生活習慣と運動習慣を身につけましょう。
もちろん、循環をよくするための食事についても考慮してくださいね。
足の浮腫が気になる方へ(2/3)
こんにちは。
フィジカルトレーナーの大森と申します。
夕方になると足がパンパンになっている
朝、パンプスを履くときつい
長時間同じ体制で移動していると足が浮腫んでくる
このような状態の人は多いのではないでしょうか。
浮腫みにはいろいろな原因がありますが、前回から私のコラムで運動で改善・予防ができる方法をお伝えしています。
以下の原因で起こる浮腫みについては、運動をおこなうことで効果が期待できます。
〇血液循環不良
〇筋ポンプ作用の低下
〇心機能の低下
前回のコラムでは血液循環不良についてお伝えしました。
さて、今回のコラムでは筋ポンプ作用の低下による循環不良についてお伝えしていきます。
そもそも血液を循環させるために必要な器官は、心臓のポンプ作用なのは周知のとおりですね。
ですから心臓の機能が低下すると、ポンプ作用が低下し、全身に血液を送る能力が低下することで循環不良が起こります。
そして、その心臓のポンプ作用の補助を行っているのが、全身の筋肉です。
筋肉が収縮(伸び縮み)することで、周辺の血管などを圧迫し、血液を循環させるお手伝いをしています。
飛行機の中で、エコノミークラス症候群の予防のために、つま先立ちの動作を繰り返すことを推奨されるのは、ふくらはぎの筋肉を収縮させることで下肢の血液を心臓に向かって押し上げる(ミルキングアクション)ことで血液循環を促すことが理由です。
筋肉のポンプ作用に頼らず、心臓のポンプ作用のみで血液循環を行おうとすると、心臓への負担が増加し、血圧の上昇につながってくることがあります。
このようなことからも全身の筋力を満遍なく整えることがとても重要になります。
とくに重力によって、血液や老廃物は下へ下へ下がって停滞しますので、下肢のポンプ作用はとても重要ですね。
また浮腫みの解消として、ストッキングやコンプレッションウエア(軽度圧迫するタイツ)などが推奨されていますが、
ヒトの身体はその圧力に慣れやすいため効果の持続は難しいです。
そして圧迫のし過ぎはかえって、血液循環を悪くすることもありますから、
自分に合った適切な圧を専門家に判断してもらうことも重要です。
筋ポンプ作用改善トレーニングプログラム
下半身
〇スクワット
〇ヒップリフト(ヒップスラスト)
〇サイドランジ
〇フロントランジ
〇カーフレイズ
上半身
〇ローイング
〇プルオーバー
強度
少しキツさを感じる程度
回数・セット
10~15回×2~3セット
頻度
週2~3回
上記の頻度で少しずつ運動に慣れてくれば、2ヶ月ほどで変化は出てきます。
その後の強度、頻度は、また調整が必要ですよ。
足の浮腫が気になる方へ《番外編》
こんにちは。
フィジカルトレーナーの大森と申します。
夕方になると足がパンパンになっている
朝、パンプスを履くときつい
長時間同じ体制で移動していると足が浮腫んでくる
このような状態の人は多いのではないでしょうか。
浮腫みにはいろいろな原因がありますが、数回に分けて私のコラムで運動で改善・予防ができる方法をお伝えしています。
以下の原因で起こる浮腫みについては、運動をおこなうことで効果が期待できます。
〇血液循環不良
〇筋ポンプ作用の低下
〇心機能の低下
前回のコラムでは筋ポンプ作用の低下についてお伝えしました。
下肢の筋ポンプ作用の低下と下半身太りの関係性
さて、今回のコラムでは番外編として下肢の筋ポンプ作用の低下と下半身太りについてお伝えしていきます。
まず最初に考えていかなくてはいけないことは、なぜ下肢(下半身)の筋ポンプ作用の低下や下半身太りが起きているかです。
とくに下半身太りの人は、下半身に筋肉がつきすぎていると表現しますが、実はそんなことはあまりないのです。
重たい負荷をかけてスクワットをして、プロテインを欠かさず飲んでも、なかなか筋肉はつかないのに、日常生活でそんなに筋肉ってつくでしょうか?
じゃあ筋ポンプ作用の低下や下半身太りが起こる原因はなんなんだろう…
その大きな原因は…
ちゃんと動いてないからです!!笑
主な原因としては以下が挙げられます。
距骨の前方変移による足関節背屈制限
足関節背屈制限による膝過伸展
膝過伸展による股関節伸展制限
難しく書くとこんな感じです。
難しいからといって読むのやめちゃだめですよ。
ここからきっと役に立ちますから。
距骨の前方変移による足関節背屈制限
足首の動きとしては底屈(床に向かって伸びる)状態のとき、足首の中の「距骨」という骨が前方に押し出されます。
また足首が背屈(脛の方向に曲がる)するときには距骨が後方へ押し込まれます。
この機能がヒールなどを長時間履いていることで、「距骨」が前方に押し出されたままになり、後方にうまく押し込まれにくくなってしまっている人がいます。
そうなることでいつもふくらはぎの筋肉を使い続けている状態となり、ふくらはぎの筋肉がパンパンに張っている状態になるのです。
この状態では筋肉は常に縮んでいる状態になるので、ポンプ作用も働きにくいし、逞しいふくらはぎになってしまいますよね。
足関節背屈制限による膝過伸展
足関節の背屈(脛に向かって曲がる)制限があると、歩行などの日常生活の中で膝の過伸展(伸びすぎ)が起こります。
反張膝とも呼ばれますが、肘では反張肘(猿手)と呼ばれます。
この状態での生活が続くと、膝の使い過ぎが起き、膝を痛めてしまうことがあります。
地面からの反力が、いつも膝から逃げてしまうため、下肢全体をうまく使うことができず、筋ポンプ作用の低下や下肢の柔軟性の低下が起こります。
膝過伸展による股関節伸展制限
本来は床の反力を足首で受け止め、膝をスムーズに通過し、股関節でうまく分散、推進力に変えながら行動します。
しかし、膝の動き過ぎが起こると、膝から力が抜けてしまい、うまく股関節まで力が伝わらなくなります。
その状態で動き続けると、股関節は十分に動かず、周辺が凝り固まった状態になりやすくなります。
そもそも股関節周辺には下肢へ流れる血管やリンパの付け根になるので、
周辺が凝り固まった状態では循環不良にもなりやすくなるため、下半身太りの原因にもなります。
このような状態が続いていては、着圧ストッキングなどを履いていても、浮腫みや下半身太りの改善には近づかないですよね。
上記の3つのことから考えると、足関節でしっかりと地面を捉え、股関節をスムーズに動かし続けることは浮腫みや下半身太りの改善にはとても重要になることはもうお分かりですね。
筋ポンプ作用改善トレーニングプログラム
下半身
〇スクワット
〇ヒップリフト(ヒップスラスト)
〇サイドランジ
〇フロントランジ
〇カーフレイズ
〇トゥレイズ
上半身
〇ローイング
〇プルオーバー
有酸素運動
バイク15分
ストレッチ
特に足関節、股関節、胸周りを重点的に実施
強度
少しキツさを感じる程度
回数・セット
10~15回×2~3セット
※バイクは1セット
頻度
週2~3回
上記の頻度で少しずつ運動に慣れてくれば、1ヶ月ほどで変化は出てきます。
その後の強度、頻度は、また調整が必要です。
もう夏はすぐそこです。
張り切っていきましょう!
足の浮腫が気になる方へ(3/3)
こんにちは。
フィジカルトレーナーの大森と申します。
夕方になると足がパンパンになっている
朝、パンプスを履くときつい
長時間同じ体制で移動していると足が浮腫んでくる
このような状態の人は多いのではないでしょうか。
浮腫みにはいろいろな原因がありますが、数回に分けて私のコラムで運動で改善・予防ができる方法をお伝えしています。
以下の原因で起こる浮腫みについては、運動を行うことで効果が期待できます。
〇血液循環不良
〇筋ポンプ作用の低下
〇心機能の低下
前回のコラムでは筋ポンプ作用の低下についてお伝えしました。
心機能低下によるむくみへの対策
さて、今回のコラムでは心機能低下による浮腫みについてお伝えしていきます。
あくまで病的な心機能低下についてではなく、運動不足やストレス性(自律神経の不調)によるものへのアプローチ方法です。
心機能の評価の仕方
そもそも心臓は血液を全身に送るポンプの役割をしています。
体重の約8%が血液と言われており、体重60kgに人であればおおよそ5Lの血液があります。
また1分間でおよそその5Lの血液は全身を駆け巡ります。
では心機能はどのような数字から、働きの良し悪しが判断できるのでしょう。
そこで必要なキーワードが「心拍数」と「一回拍出量」、「心拍出量」です。
心拍数:心臓が1分間のうちにポンプ作用(収縮)して血液を送り出す回数
一回拍出量:心臓が一回の収縮で送り出す血液の量
心拍出量:1分間に全身に送り出される血液量
心拍数:通常60~100bpm(回) 平均70bpm
一回拍出量:通常60~130ml 平均70ml
となります。
つまり「心拍数」×「一回拍出量」= 「心拍出量」となります。
上記の数値を当てはめると
(平均心拍数)70bpm × (平均一回排出量)70ml = (平均心拍出量)4900ml
全身を駆け巡る血液量はおよそ5Lということになります。
これはヒトは生命を維持するためにはおよそ1分間に5Lの血液が必要だということです。
例えば、
安静時に心拍数を図ってみると100bpm心拍数があるとします。
5000ml(5L) ÷ 100bpm = 50ml(一回拍出量)<70ml
通常の一回拍出量は60~130mlですから50mlというのは機能が低下している恐れがあるということになります。
また、安静時心拍数が50bpmとなれば
5000ml ÷ 50bpm = 100ml(一回拍出量)>70ml
こちらの方は平均を超えてますので、優れているということになります。
つまり心臓から1回に押し出される血液の量で心臓の機能を評価することができるのです。
また逆を言えば、安静時の心拍数を見てもある程度の評価はできます。
もちろん、最大酸素摂取量などで評価することもできます。
ちなみに、心拍数などはストレスや緊張度、環境などでも変化しますから、詳しくは専門家に評価してもらってくださいね。
長くなりましたが、この一回拍出量の低下や安静時心拍数の増加が起こりやすくなると、全身に血液が回りにくく、浮腫みやすくなる場合もあります。
ですから一回拍出量を上げ、安静時心拍数を下げることは重要です。
そのためにはしっかりと強度設定をした有酸素運動が必要です。
そうすることで心臓の機能は向上します。
定期的に実施してみてくださいね。
心機能向上トレーニングプログラム
RPE(主観的運動強度)の「ややきつい」を目安にしながら少しずつ運動強度を上げる
※運動不足の方は、強度・時間は弱めで良いので運動を継続しましょう。
〇バイク
〇ランニング
〇プール など
10~20分を目安に実施。
まずは週2~3回を目安に実施。
トレーニング中には心拍計(時計や胸に着けるセンサー)などで自分の状態を評価しながら実施するとムリなく、効率的に運動が実施できますよ!!
詳しいプログラム・強度設定は専門家にアドバイスをもらってください。
くれぐれも無理をしないように!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?