マガジンのカバー画像

ものづくり夫婦世界一周紀

114
2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載したエッセイです。
外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界は… もっと詳しく
¥100
運営しているクリエイター

2019年11月の記事一覧

旅の終わり方<夫婦世界一周紀99日目>

ニワトリは日の出とともにけたたましい鳴き声を上げる。それが5時だろうと、3時であろうと、明…

草作
4年前
6

暗闇の中で<夫婦世界一周紀98日目>

波の荒い磯に下りると、目の前にヒラメがほよほよと泳いでいた。水深50センチのところに体長50…

草作
4年前
3

ヘイブンとは。<夫婦世界一周紀97日目>

これまで10カ国あまりを旅してきた。所得が高い国もあれば低い国もあったし、寒い国も暑い国も…

草作
4年前
4

ヤシガニ捕獲一部始終<夫婦世界一周紀96日目>

水曜どうでしょうで一番面白いのはヤスケンだと思う。スズムシやコオロギの小競り合いがどうで…

草作
4年前
3

恐怖のチェイサー<夫婦世界一周紀95日目>

楽園に見えていたのは滞在初日だけだった。いやはやニウエ、とんでもない国である。 事態の異…

草作
4年前
4

考える島<夫婦世界一周紀94日目>

小学生の時の国語の教科書には最初の数ページに、本編の題材のイメージ写真がカラーで乗って…

草作
4年前
3

ニウエという国へ<夫婦世界一周紀93日目>

飛行機を降りるとむわっとした陽気に包まれた。久しぶりの蒸し暑さだ。 シドニーからニュージーランドへ、そしてニウエへ。 旅の終盤に訪れるということもあって、ニウエについてそんなに情報を調べることはしなかった。 面積が沖縄の離島程度しかなく、人口は1000人。休日となれば刑務所が解放されて自宅に帰るという。透明度100メートルを超える海に囲まれたポリネシアの卑怯。まるで最後の楽園と言わんばかりの夢の国である。 とはいえ、ネットも覚束なくて宿泊先の候補に連絡はしていたものの

うーちゃんとともに<夫婦世界一周紀92日目>

季節外れの大きな風が吹いてきて、飛行機のエンジンを埃まみれにしたせいで、ハワイからの出発…

草作
4年前
6

悲しみや寂しさを置いていく<夫婦世界一周紀91日目>

闇の重たい気配の中を2つのライトで切り裂くように、早朝3時からコナ空港へ車を走らせた。 街…

草作
4年前
7

僕たちはUSで生きる。<夫婦世界一周紀90日目>

2012年3月。僕たちはキリンジの解散前の公演を見るために広島にいた。関係はぎくしゃくしてい…

草作
4年前
9

サウスポイントの夕日<夫婦世界一周紀89日目>

音のない静かな朝だった。7時になってもあたりはしんと静まり返り、濃い湿気が立ち込めていた…

草作
4年前
11

奇跡の日<夫婦世界一周紀89日目>

どうしてもケイコさんに会いたかった僕は、宿が廃墟と化しているのを見届けたその日からあらゆ…

草作
4年前
10

もしも<夫婦世界一周紀88日目>

奇跡を起こすのは容易なことではない。時空を歪ませ、あらゆる幸運を一緒くたにして煮詰め、そ…

草作
4年前
9

あそこはどこにあるんだ<夫婦世界一周紀87日目>

体はここだと示しているのに、目に見える光景は九年前のそれの面影はなかった。なにしろ、宿がどこにもないのだ。サウスポイントロードという名の一本道を、サウスポイントめがけてひた走った先。右側にその宿はあった。僕のカメラでその姿を捉えているし、ゴキブリに怯えたのも、でかいカタツムリにちょっかいを出したのも、ドイツ人夫婦に世界一周のロマンを教えてもらったのも、全てあそこだ。その"あそこ"は一体どこにあるんだ。周りは森に覆われて、宿と思しき輪郭さえも見つけることが出来なかった。 かろ