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ELDEN RING(エルデンリング)「女王マリカと英雄ラダゴンについての考察」のはなし

※この記事ではマリカ、ラダゴンの正体に関するネタバレを含みます。また、断片的な情報を元にした考察ですので、公式の設定とは異なる可能性があります。

 女王マリカと英雄ラダゴンの正体については、多くのプレイヤーが知っていることかもしれないが、簡単におさらいしておこう。
 王都ローデイルにあるラダゴンの大彫像には秘密がある。祈祷の“回帰性原理”を使用することで、ラダゴン像はマリカ像へと姿を変え、「ラダゴンとはマリカである」というシステムメッセージが表示される。

 これはエルデンリングの世界でもかなり衝撃的な、大きな秘密として扱われている。

 ところがこれについては、分かるようで分からない部分がある。一言で「ラダゴンとはマリカである」と言っても、複数のパターンが考えられるからだ。

 ・一人の身体に複数の人格がある(いわゆる二重人格パターン)
 ・一人の人物が二人の人物を演じ分けている(変身パターン)
 ・元々二人の人物だったものを無理やり一人の身体に合体した(融合パターン)

 可能性が最も高いのは、一人の身体に複数の人格がある二重人格パターンだろう。マリカの人格とラダゴンの人格が同じひとつの身体に入っている形だ。
 ただしこの場合、問題も生まれてくる。この問題については後で詳しく述べることにする。

 変身パターンについては、発想のきっかけとなったアイテムがある。“擬態のヴェール”の説明文を見てみよう。

 擬態効果のあるアイテムが“マリカの戯れ”として知られているくらいだから、マリカも意外と茶目っ気のある人物だったのかもしれない。

 マリカには何かしらの擬態(変身)能力があったことが分かる。それを使ってラダゴンという人物を演じていたのではないか、という説がこれだ。

 ただし、この擬態(変身)能力というのはあまりに便利すぎて、これひとつで“マリカ、実は○○だった説”がほぼ無限に生み出せてしまう。

 そのため、根拠としての信憑性は逆にとても低くなってしまう。これひとつで何とでも言えてしまうからだ。これを根拠として扱うならば、他のもっと確実性の高い証拠と組み合わせて使うしかないだろう。

 この説に関しては可能性はかなり低いが、ゼロではない程度に留めておくことにする。

 さて、最後に融合パターンだが、これについては二つの疑問から生まれたものとなる。

 まず疑問となるのが、マリカ=ラダゴンであるということを、どの程度の範囲の人が知っていたのかという点である。分かりやすいように段階レベルごとにまとめてみる。

 【上位者レベル】大いなる意思、二本指(大いなる意志の通信機)、指読み(〃翻訳機)
 【配偶者レベル】ゴッドフレイ、レナラ
 【親族レベル】配偶者を除く家族、親族(デミゴッドたちがここに当てはまる)
 【一般人レベル】狭間の地の一般の人々

 上に行くほど知っている可能性は高くなる。問題となるのは、配偶者や子供たちが知っていたかどうかである。もしそのどちらも知らなかったとしたら、秘密を保持する難易度が格段に上がってしまう。
 マリカとラダゴンが交代で出現しながら、二箇所での生活を疑われることなく送らなければならない。それが可能なのかどうかを考える過程で生まれたのが、以下のパターンである。

 ・元々二つの人物だったものを無理やり一人の身体に合体した(融合パターン)

 これは理屈で考えた結果である。そもそもマリカとラダゴンが同一人物だとして、そのことを他の人に知られることなく、しかも破綻することなく両方の生活を送ることが果たして可能だろうか?という疑問から生まれた考えだ。

 マリカとしての生活とラダゴンとしての生活を破綻なく両立することが可能だろうか?
 ⇒ はい(二重人格パターン・変身パターンへ戻る)
 ⇒ いいえ(融合パターンへ進む)

 はじめにラダゴンの行動履歴を分かりやすくするため、結びの司祭ミリエルの台詞を以下に引用する。

 「ラダゴン様は、赤い髪をなびかせた、英雄でございました 黄金樹の軍勢を率いてこの地を訪れ、しかし戦いの中でレナラ様と出会い 侵略の戦いを悔い、カーリアの王女たる彼女の伴侶となりました
 …しかし、最初のエルデの王、ゴッドフレイが狭間を追放されたとき 彼はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、女王マリカの王配、二番目の夫となり…二人目の、エルデの王となったのです
 そして誰も知ってはいないのですよ ラダゴン様が、なぜレナラ様を捨てたのか いえそもそも、一介の英雄にすぎなかった彼が、なぜエルデの王として選ばれたのか」

 二人の生活を時系列順に並べてみると、

 【a】マリカがゴッドフレイと結婚する
 【b】ラダゴンがレナラと結婚する
 【c】ゴッドフレイが狭間の地から追放される
 【d】ラダゴンがマリカと結婚し、二代目のエルデの王となる

 ラダゴンがいつ生まれたにせよ、少なくとも【b】〜【d】の期間は、マリカとラダゴンが両人とも存在していなければおかしい。ラダゴンとレナラのあいだには三人の子供がおり、最低でも三年間は生活を共にしているはずである。
 末子が生まれた瞬間に家を去ったのでなければ、家族として暮らした期間はもっと長いはずだ。その期間中ずっと、マリカとラダゴンの人格を入れ替えては王都ローデイルとリエーニエの二箇所を反復横とびする生活を、本当に送っていたのだろうか。

 かなり無理があるんじゃないだろうか、と思ったのである。

 そもそもミケラとマレニアはどう思っていたのだろうか。自分の両親が同時に存在せず、会うときはいつも父親か母親のどちらか、そんな生活に疑問を抱かなかったんだろうか。よほどのお人好しでなければ怪しむはずである。

 その疑問をなんとか解決しようと考えた結果が、この融合パターンの説である。

 もともと女王マリカと英雄ラダゴンとはまったく別の人物であり、あとから無理やり一人の人物にさせられた、というのが結論となる。

 (ただし最初にも言ったが、この説は「マリカとラダゴンの生活の両立は無理じゃないか」という疑問がスタート地点になっている。つまりその疑問が解消、「マリカとラダゴンの生活を両方ともちゃんと問題なく送ってました」という証拠が出てきたとたん、なんの意味もなくなる説である。)

 根拠となりそうなものは、“女王の閨”でメリナから聞くことの出来る、マリカの言霊である。以下に引用する。

 「おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!」

 もともと同一人物であったなら、「お前はまだ、私ではない」などと言うだろうか。マリカとラダゴンが同じ身体なら、それはもう既に神の身体である。マリカは神なのだから、同じ身体のラダゴンもまた神である。言霊のように「まだ、神ではない」とはならない。

 もともとマリカ(神)とラダゴン(人間)が別の人物で、後から融合したと考えれば上の台詞にも筋が通せるのである。
 もとは別の人物なのだから「お前はまだ、私ではない」し、元が人間なら「まだ、神ではない」のも納得できるのである。

 かなり無理矢理な感じだが、可能性がゼロというわけではなさそうに思える。マリカに関してはまだ謎の部分が多く、これからも引き続き考察を進めたいと思う。

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