もの拾う癖

メダイが道に落ちていた。サカナじゃなくてキリスト教のやつね。

　ロザリオ的な祈りのアイテムである（wikipedia）。雑に言うと聖母マリアが云々みたいな…。「メダイ」はポルトガル語で「メダル」に相当する。左右に刻印されている文言は兄曰くドイツ語らしい。
　これを持っていると願い事が叶うぜ的なものなのだが、高校生の時に敬虔なクリスチャンをやっている母にネックレス型のを渡されたことがある。
　当時の僕はエヴァンゲリオンにハマっており、旧約聖書をナナメ読みしたりしていて、それを母が見たかなんかだと思うんだけど、「一週間これを身に着けてみて」と、ある日渡された。兄がカトリック系の学校（別に仏教徒でもイスラム教徒でも入れる）に通っていた関係で、兄も母も洗礼を受けていたし、比較的キリスト教が身近にあり、母が教会で知り合った（今で言う）ママ友的な人とも交流があった（そのコネでバイトを始めたりした）。
　僕はエヴァンゲリオンから入ったニワカだったし、別にどうでもいい、どうでもいいが故に断る理由もさして無いので「フーン」程度に思って身につけていたのだが、授業中に襟首から覗くチェーンを先生に発見され、アクセサリーと勘違いされて没収された。まあ「フーン」程度だったから別に没収されても「フーン」なんだけども、思い出してみるとあれって正当な文脈で「宗教上の理由で着用しているんです！」と言い返すチャンスだったのでは…と。「フーン」ではあるけど正当な文脈で「宗教上の理由で～」を言えるチャンスってなかなかないので10年越しに悔しくなってきた。
　wikipediaから引用すると、母は、

不思議のメダイに関しての多くの著しい出来事の中の一つは、ストラスブールのマリー＝アルフォンス・ラティスボンヌ（フランス語版）の回心である。ラティスボンヌは友人に対し教会に入ることはないと宣言していた。しかし、友人の強い勧めにより彼は不思議のメダイをつけることにしぶしぶ同意し、ローマのサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会（イタリア語版）に入ると、不思議のメダイが象徴している姿の聖母マリアが彼の目の前に現れ、彼は速やかに回心した[4]。

　的なやつを狙ったのだろうけど（実際メダイ以外にも母からのキリスト教入信へのゴリ押しはけっこうあった）、校則違反で没収されたので一週間身につけることができず、回心もしてないし教会にも入ってないですね。

　このメダイはネックレス型ではなくケータイのストラップのようなものがついていた。一応LINEで母に「これってメダイっすよね？」と問い合わせたところ「願い事が叶うぜ！拾っちゃいな！」というような反応だったのだが…。個人的にキリスト教・イスラム教・ユダヤ教あたりの一神教をあまり好ましく思っていない。人間の歴史を振り返ると戦争や争いの原因ってだいたいソレだし、ていうか宗教違っても全部同じ神崇めてるわけだし、キリスト教がなければ人類科学はもうちょっとかなり進歩していたんじゃね？という記事を読んだこともある。
　確かに…何か（超越的な存在）を信じて行動の指針にするというのはある意味スマートな（そして思考停止的な）生き方ではあるかもしれないけど。聖書は単純に読み物として面白いんだし、わざわざ聖水とか被って洗礼を受ける必要はないよね。それより一神教に対するネガティブイメージの方が強い。思想として宗教を取り入れるなら仏教もかなり面白いぜ。

　で、まあ願い事が叶うなら嬉しいですけど、全知全能の神でもこんな不信心者の言う事を聞き入れてくれるとは思えない。おれだったらやだね。信じる者は救われるが信じない者は救われない…。別に無理に信じて救われたいとも思わない。一応キリスト教徒以外でも効果あります的な感じらしいですけど。そんな都合のうまい話があるかいと思ってしまう。おいしくて強くなるビスコか。いや、実際ビスコはうまいですけど…。ビスコはうまい理屈がわかるけど、アルミ片をプレスしたやつを持ち歩くと願い事が叶う理屈はわかんない。

　結局メダイは拾わなかったんですが、おれは道に落ちてる変なものをよく拾う癖がある。

例１：メガネのフレームだけ

例２：風俗嬢の名刺

例３：靴底

　靴底（かなりでかい）は流石に持ち帰らなかったけど、よくわからない居酒屋のテレホンカードとか拾っちゃう。拾得物横領になりうるのでここには書けないようなモノを拾うこともある。犬の散歩してたら風に飛ばされたっぽい、布をケチったタイプの女性下着が落ちてたことがある。なんかこう意味不明なモノが落ちてると「レアアイテムだ！」みたいな気持ちになって拾ってしまうのよね。
　例えば絵本原作映画のジュマンジ、リブート版もそうだが、アレは古臭い双六を拾うところから物語がはじまるじゃないですか。そんな「なにかはじまるかも」みたいな気持ちで拾っている…というところはある。アイムア主人公じゃないですけど、何か始まったらおもしろいじゃないですか。
　メガネのフレーム拾って何が始まるっていうんだって感じはあるが…。せいぜいツルを耳にかけてレンズを目の前に持った青年が現れる程度だろうな。キャバクラですら全く楽しめない性格なのにピンサロ嬢が家に来ても困るし…。鶴の恩返し的に部屋の掃除とかしてくれるんならいいですけど、拾ったの名刺だし…。客のほうが来たらもっとやっかいだな…。

　なんだっけ…一時期、資源ゴミの日に捨てられてる、まだ使えそうな家電や家具を持ち帰ったりしてた。あれってゴミに出すことで所有権は破棄されるけど自治体の管理物になるとかでマズい（罰則がどうとかは知らない）らしいので最近はやってないです。
　みんなも使えそうなスツールがあっても持って帰っちゃダメだぞ！ただでさえ部屋が散らかってるのにゴミ増やすのバカの所業だぞ！

　そういえば押入れから長らく行方不明だったWAのM92FSセンチュリオン（ABS製の当時モノ。むかしジャンク品を中古で買い、他のジャンクM9とニコイチした）が出てきたんですけどどーすればいいですかね…ずっと作動快調だったのに、ガス漏れしてるし弾が出ない…とりあえず部屋に転がってたレールアダプターでライトつけてみたけど似合わないし、予備マガジンは品薄なうえに高いし、シリンダー関係のスプリングが欠損している。M9系では最先発品だから色々微妙だし…。