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久しぶりの地上波

我が推しASKAさんが久しぶりに地上波の音楽番組に出演した。いわゆる“復帰後”、福岡ローカルの番組に出たものを除くと初めてかもしれない。全盛期ですらバンバンテレビに出るタイプのアーティストではなかったから、ましてや地上波に出るとなればファンにとっては祭りのごとき喜びだ。テレ東という全国区の放送ではないにしろ、「ファンじゃない人」も目にすることのできる番組に出る事実が何よりうれしかった。

出演のお知らせがあったのは3日前。私たちファンは一斉に歓喜した。自身は放送対象外在住であり、ちょっぴりいやかなり置いてきぼりをくらった感じではあったが、それでも「地上波に出る」ことがとても感慨深かった。

どうやら2曲歌うという。いずれもほぼフルサイズで。この情報もファンをさらに喜ばせた。どうせなら楽曲のそのままの魅力を等身大で伝えたいんだ。

ASKAソロ最大のヒット曲「はじまりはいつも雨」を歌うことは事前にアナウンスされていた。かくしてこの3日間、ファンたちの間では「#ASKAのもう1曲を予想」なるハッシュタグで2曲目を(願望も大いに含め)予想し合う遊びが始まった。

あらためて考えてみる。番組の趣旨ももちろんあるとは思うが、1曲はまごうことなき大ヒットの名曲を歌うのだから、もう1曲は「今」のASKAを知ってもらう選曲にしてほしい。

ならば、私としては9月に毎週配信された新曲の中から、特にロックでかっこいい「自分じゃないか」を推す。

他のファンたちは、彼の最新アルバムの中でも目を…いや耳をひくセクシーなロック曲「百花繚乱」がいい、はたまたシングルとなった「歌になりたい」はどうか、いやいや大きくくくれば「復帰後」=「新しいASKA」といえるので、復帰第1弾のアルバムでダントツ人気の「と、いう話さ」がいいのでは…などなど多種多様な視点で予想合戦が繰り広げられた。

さあ。果たして結果は…。

見事だった。

ある意味、選択の理由としては非常に明確で適当ともいえる。シングル曲「歌になりたい」が選ばれた。想定内だった。

でも、想像をはるかに超える結末が待っていた。

4時間半に及ぶ生放送の大トリをこの曲が担ったのだ。

まさに、ライブでも本編を美しく締める「ラス曲」にふさわしい、壮大で優雅な曲。これが番組の最後を飾った。うれしいサプライズで、見ないようにして我慢していた何かが優しく外れたように涙があふれた。


ほんのわずかな一瞬に、これまでのことが脳内を一気に駆け巡った。

社会復帰、まして音楽家としての復活に光を見いだせずただただ泣き続けたあの日から6年。決して自暴自棄にならず、くさらず、社会からの執拗なまでの誹謗中傷にも負けず、彼はただただ水面下で音楽を作り続けた。自分の在りたい姿、音楽に真摯に向き合い続けた。フルアルバム3枚、ベストアルバム2枚、シングル、配信曲と精力的にリリースを重ねた。執行猶予期間を終え、この2年ですでに3本の国内外ツアーも成功させてきた。ことし2月まで開催されていたライブでももちろん歌われ、会場とステージが一つになる「ライブ曲」である「歌になりたい」。

これを、地上波で歌う姿を見られる日が来るなんて。

ファンの感動はいわずもがな。らしくなく、SNSで一般の方々の反応をエゴサしてみると、思わず頬が緩んでしまうような温かい感想ばかりが並んでおりさらに胸が熱くなった。

今回の機会をくださったすべての人にありがとうを伝えたい。そして何より、素晴らしい歌声を聞かせてくれたASKAさんに感謝。今すぐにでもライブに行きたい、そんな欲がまた湧き出してしまった。

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