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君は刻の涙を見る

 私は20代から緑内障です。

 ご存知で無い方に簡単に説明すると、緑内障とは成人の失明原因のうち25%を占める病気で、段々と視野が欠けていく根本的な治療法の無い眼病です。

 40代以上では20人に1人くらいのさほど珍しくない病気なのですが、20代から罹患する人は結構珍しく、寿命までの年数から失明にまで至ることも少なくありません。

 最初、医師から病名が告げられたときは、失明の恐怖で頭のなかが真っ白になりました。

 大好きな海に潜ることが出来なくなるどころか、世界自体が見えなくなるのです。
 五感の中で最も重要な視力が奪われるのは、世界を感じられなくなるのと同義と感じました。
 この恐怖は、20年近く経った今でも鮮明に覚えています。

 本日は定期的な精密検査の日。
 検査は何時もの眼圧検査と眼底写真。そして視野検査。

 このうち視野検査は、やったことがある人は共感頂けるかと思いますが、私はコレを「ニュータイプ発見器」と呼んでいます。

 利き手にボタンを持ち、顔を固定して、アチコチにランダムに現れる光が見えたらボタンを押すのですが、たまに「どこも光らない時間」やら「健常者でも見えない死角」が光ることもあります。

 私はコレが大得意!
 見えなくても心の目で見えるのです。
 本日もなかなかのスコアを叩き出しました。

先生「絶対に見えてるハズ無いんだけどね・・・」
🐧「いえ、見えるのです!!」
先生「・・・ま、いいや。(触れないようにしよう💦)」

 私のニュータイプ能力は歳を重ねるごとに強くなっているようです。